民主党の負の連鎖は「仙菅ヤマト」に起因する

相変わらずの政治音痴
 地方選挙で大敗しても、内閣支持率が20%台に後退しても権力の座の維持にのみ頭を使っている仙谷由人官房長官と菅直人総理大臣の「仙菅ヤマト」コンビは政治の何たるかを知らず迷走を続ける。
 思いつきの法人税5%切り下げの一方で個人所得には5500億円の増税。この国の経済をどうしたいのかさっぽり解らない。その根源は今までの野党時代に権力を攻撃するばかりで権力の何たるかを勉強してこなかったツケだろう。権力が担う責任に気がついていないのだ。全て勉強不足である。
 TPPについても何も知らず官僚から「TPPを推進すれば強いリーダシップを発揮したことになりますよ」に騙されて口から飛び出す。しかし、不勉強だからTPPについては最近知ったってのが実情らしい。
 勉強不足だから政治主導なんか出来る訳が無い。一方で限られた取り巻きからの情報だけで状況判断するから、いざとなると反対意見が噴出し結論が出せず先送りに陥る。各方面から情報を入手する術も持ち合わせていない。
 このあたりが仙菅ヤマトの政治音痴の背景だろう。
 仙菅ヤマトコンビは小沢一郎氏を政治倫理審査会に引っ張り出せば内閣支持率が上がるとでも考えているのか、地方選挙で事実上敗北したのは政治とカネの問題が大きいとの認識だ。
 違うだろう。国民の意向は、政権交代で民主党にやらせてみたが期待はずれだったってことだ。その期待を裏切る負の連鎖のスパイラルに陥っているのに気がついていないことが大問題だ。日本の最大不幸なのだ。
 与野党逆転した段階で攻守所を変えるのだが、与党たるべき資質が無いのではと思わせるような政治音痴を国民はあきれて見ている。しかも、発言がブレて終始一貫しないから、この国の行く先に不安を感じている。その張本人が仙菅ヤマトなのだ。

政界再編しか打開策は無い
 現在の政権交代は旧来の与党に旧来の野党が取って替わったものだ。これでは効率的な政権交代とは言えない。明治維新の政権交代は実質的に新しい勢力の台頭(薩長支配も残ったが)であった。太平洋戦争での政権交代は本来機能すべき民主的な部分が軍部により乗っ取られたものを元に戻した政権交代だった。
 今回の政権交代は非自民による政権交代で、しかも今の民主党は新撰組に乗っ取られた明治政府のようなものだ。新撰組には政治のリーダーシップを担える力量は無い。しかし、勢いがあったので民主党を乗っ取ってしまった。それが今の民主党の仙菅ヤマト体制であり旗印は「反小沢」だ。
 今の民主党に一番不足しているのは政治音痴をいかに補うかの戦略だ。先の鳩山由紀夫内閣以降政権交代から1年以上も経過してやっと本予算を組み立てる所までたどり着いたが、この間に自らの組織には与党の責任を全うする機能が不足しているのは痛感したはずだ。
 であれば、それを補う方策をここ1年間にやってきたか? 口先だけで何もしてこなかった。そして、今、最悪の負の連鎖スパイラルに陥っているのだ。
 大政奉還をする必要は無い。それは民主党が政権を投げ出すことだから。
 先に書いたように古い与党に古い野党が取って代わる現在の状況を打破する必要がある。つまり、野党が長かった政治家にはお引き取りいただく。同じく与党が長かった政治家もだ。どちらも野党根性や与党根性が骨の髄までしみ込んで新しいポスト政権交代の時代には使いものにならない。
 くっついたり離れたりの政治勢力の集合では無く。与党だ野党だの政治色も無い新しい政治勢力を結集する必要がある。
 明治維新では若手、中堅がそれを担った。過去に経験があるのだから今回も出来ない訳はない。

若手連合政権しか空白の20年を打破できない
 政治家を志すからには万年野党では志を果たせない。にも係わらず万年野党で安住する政治家は「先生」と呼ばれることが目的化した税金泥棒だ。与党に居るから政治が出来て野党に居るから携われないってのも変な話だ。
 国民は優秀な志の高い政治家に日本の運営をやってもらえれば良いのであって、政党を選んでいる訳では無い。しかし、旧来の政治家は数の論理で政権を担ったり揺すぶったりしてきた。これが、今回の政権交代が失敗に終わりつつある要因だろう。議院内閣制では多数を占めた政党が総理大臣を輩出し行政を担う。しかし、この制度は制度疲労していないだろうか。
 民主主義は数の論理って発想を転換する必要がある。
 その意味で総裁公選制が一時期叫ばれたが、それには憲法改正が必要となった段階で護憲派が腰を引いてしまった。ま、総裁公選制まで行かないが、法律上は国務大臣は民間からの登用も可能となっている。もちろん、野党からの登用も可能だ。
 究極の若手連合を組織して、総理大臣を国会で指名し、与野党混在の国務大臣を選任し政府を作る。その替わり、国務大臣は少しでも向いていないと判断されたら更迭し新たな人間を任命する。この緊張感で政府を運営してもらう。
 何時までも数の論理と選挙に勝つことが政治だとの旧来の発想に留まることなく、新しい日本の政治制度を考える必要があるだろう。
 それが出来なければ民主党は大政奉還しか道は無くなる。

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2010.12.14 Mint