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歴史的に重要な軍港
あの広大なロシアだが、不凍港として使えるのはクリミア半島のセバストポリと極東のウラジオストクだけである。最近は巨艦巨砲主義では無いが戦略的原子力潜水艦は核ミサイルを搭載して世界中の海底に潜んでいる。その補給基地として不凍港の制海権を得るのは必須のインフラである。また、ロシア唯一の空母造船所もここにある。空母は潜水艦と供に制海権や制空権を確保する機能を有しており、これの修理等が出来なければ運用を続けることもできなくなる。今回の鳩山某氏のマリオネット発言は別にして、西側の報道はその立ち位置からかなり情報操作されている。それをそのまま受け止めて報道する日本のマスコミは物事の真実にたどり着けないだろう。 世界各地の紛争の陰にはオバマ大統領が「アメリカは世界の警察辞めたからね」発言から始まっている。これは2013年9月10日午後9時のアメリカ国民に向けたテレビ演説が発端である。「米国は、世界の警察官ではない」と国民に向かって宣言した。演説の内容はシリアの化学兵器問題に武力行使はしないとの内容だ。 この発言からアメリカ国内だけでは無く、世界の勢力分布が変わってきた。そもそも、イギリスが「イギリスも世界の警察辞めるからねぇ」と言い出した。それによってアメリカを虎の威を借りる狐状態だった各国、各地域が自ら守らなければならないと考えるようになった。 その1例が今回は触れないがギリシャのEU離脱問題である。ギリシャがEUを離れてロシア側になれば、地中海は実質的にロシアの制海権配下になる。ギリシャは「ロシア側になってもいいのかぁ」とEUを脅しながら過大な譲歩を得ようとしている。 オバマ大統領の発言はクリミア問題でプーチン氏を強気にさせた。そもそも、旧ソ連崩壊の時にドサクサに紛れてウクライナのクリミア自治共和国のかたちで半分独立していたクリミア半島がウクライナへのNATOの急接近、そして、ヤヌコビッチ政権の崩壊と供に親欧派が政権を担い、ロシアの軍港をNATOが取り囲む事態になったのだ。 ドサクサに紛れてウクライナの一部になったが、住民の多くはロシア人で一部のウクライナ人も教育はロシア語で受けており、住民に選択の余地があればロシアの一部になる必然はあった。 |