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地震発生から変化の状況
今回の熊本地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに被災された多くの方へお見舞い申し上げます。直接支援の手を差し伸べられませんが、今回の地震の様子を情報でお伝えしたいと思います。本記事に利用した地表面の変動の図表は国土交通省・国土地理院の「最近の地殻変動情報」http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.htmlより引用・加工させていただいています。 国土地理院の「最近の地殻変動情報」は詳細の検定に時間がかかるために、データ収集後2週間ほど時間が遅れる。今回(6/14)入手出来るのは5月27日の測定結果を過去1年及び過去1ヶ月の変動として公表されている。 5月27日のデータによって、地震発生直後から直近1ヶ月の変化を読み取ることがdできる。 予震が起きたのが2016年4月14日21:26 MJ6.5 本震が起きたのが2016年4月16日01:25 MJ7.3 この間の、累積の地表面の移動は1年間データから、近々の状況は1ヶ月データから読み取ることができる。 また、被災地での一番の関心は相変わらず続く震度4程度の地震だろう。はたして熊本地震は終息に向かっているのかだろうを考えてみる。 近郊で起きている有感地震のエネルギー、つまり測定されるマグニチュードの日々の累積値の時系列変化で見ることができる。今回はまず地震の変化を見てみる。 |
左端を見て貰うと4/1から予震の4月14日まで、この地域は地震がほとんど無い地域だったのが解る。14日の予震も大きなものだったが、16日の本震からは頻繁な余震で地下のエネルギーが解放されている。4月26日にはグラフは余震が治まったようにもも見える。ところが、4月27日の弱いピークが起きて、なだらかに累積マグニチュードは減少しているが、日々累積マグニチュードが20辺りで横ばいになっている(6月14日までの状況)。
個数の集計だけでは無くて本当のエネルギー量をジュールに換算して計算してみたのがこのグラフなのだが、規模が違い過ぎるのでY軸は対数目盛にしている。一般的なグラフでは無いので読みにくいが、時系列的に規模が縮小していることが読み取れる。ただ、対数グラフを読むのは一般的統計手法では無いので、先の累積マグニチュードで十分と思う。
最新の5月28日のデータを見ると、あいかわらず東西へのすれ違い変化と南北への移動が読み取れる。これは1年前との比較なので地震後の累積変化と言える。
次の図は同じ5月28日のデータを1ヶ月前と比較したもの。一年と比べると変異の量が少ない。つまり、GPSデータによる地表面の動きはかなり治まっていると読み取れる。
前回(2)で垂直方向の変化を「熊本を中心とした地帯が瀬戸内海に向かいながら周りの地盤に潜り込んでいる」と仮説を立てたが、今回のデータではその傾向は消えている。