地球の大気は餃子の皮より薄い

台風の立体図の矛盾
 実際の話、体験するために、まず外に出て歩いて見ましょう。10kmを歩けますか? ま、時間は別として10kmを歩くのには2時間以上かかりますが、さほど酷ではないでしょう(ま、戻って来る必要があるので、往復で10km体験が妥当かなと思います)。じゃぁ、10kmを上(高さ)に歩けますか? そんな梯子が無いから無理ですが、実はエベレスト(チョモランマ)の標高は8847mなんですね。海抜で言えば8Km。さきほど歩ける距離を縦にすると同じ距離なのに、こんなに違うのです。
 生死をかけた(大気の酸素の薄さ)エベレスト登山と生死を掛け無い平地での10kmの違いが解ると思います。
 で、地球の直径ってどれくらいでしたっけ?
 そう半径6300kmです。ここで円周率を思い出しましょう。3.14159265ですね。ま、そこまで言わなくてもおおむね3.14です、これに地球の直径を掛けると赤道での地球の「胸囲」が4万kmになるのが解ります。
 地球の直径(ま、半径のほうが解りやすいですが)に占める人間の生息する大気の割合は先のエベレスト登山の困難さから解るように非常に「薄い」のです。池上彰風に言うと(それが誤解を招くんだけど)地球を1mの球体とすれば我々の生活を左右する気候の元になる大気の厚さはその1mの地球を覆うサランラップ程の厚さしか無いのです。
 目の前の直径1mの球体が浮かんでいるさまを、これを想像できますよね。腕を広げた感じです。この球体をサランラップで包みましょう。見えますか? ま、注意して見れば見えなくもない、これが我々の生活圏の大気です。
 天文学的にはもっと高いところまで「大気を持った地球」と言いますが、ま、とにかくエベレストのテッペンでは空気が薄くて(酸素が無くて)生きられない。つまり垂直移動10kmはには極限の世界があるって認識を持つのが大切でしょう。
 しかし、一般的に台風を説明する時には下記の図示を使いますね。
 台風の影響範囲は天気図を見ても解るように直径1000km程度あります。で、その台風の「高さ」は10km程。つまり、めちゃくちゃ平らなんです。
 1000kmの地域で起きる高さ10kmの現象が台風なんです。そうとう薄っぺらいのが台風なんですね。1000kmに影響する10kmの山(富士山の3倍の高さ)って、ま、端では見えないくらい低いでしょうね。
 そこを知っておくことが大切です。地球の大気って薄くて、その中でCO2が増えたとか減った(は、無いか!)とか議論してるのだと、まず、理解しておきましょう。

こんな薄い大気が人間の生活を左右する
 不思議ですねぇ。天気図を見ると日本の北端(実際は択捉島のカムイ山が日本政府が公式見解としている日本の最北端なんですが)宗谷岬から南の沖縄の波照間島までは距離的に3000km程度あります。
 横に3000kmですが、縦に3000kmと言うとISSの高度が700km程度ですから、はるか彼方の上空になります。ま、それは置いといて台風の高さは10km程度って話の続きです。
 そんな薄い大気の層が「明日は雨」とかの天気予報で語られるのは、いかに人間が日々の生活を大気の変化で左右されてるかの証左ですが、実はこれは日本人独特の気象感なんです。諸外国では「いい天気ですね」なんてのを挨拶に使いません。日本人独特の季節感が僅か10km程度の大気層で培われてきたのです。昔、アメリカのポートランド州立大学で留学生の面接をした時に学生から「四季を感じる日本を体験したい」と言われて、インターンシップは特別就労ビザでも90日だったんで「無理ですね」と答えて没にしたことがありますが、日本の四季の変化はこの大気の動きが作っているのです。
 アメリカのアリゾナ州あたりに行くと、農業者ですら「関節が痛いから雨が降るかなぁ」程度の気象への関心しかありません。
 日本人では「最も正しい報道」はニュース番組の最後の「天気予報」ですよね(笑い)。
 地球って惑星に住む人類が、その表面を覆うサランラップ(言い過ぎか!)の中で生きているのですね。その大気の薄さと、地表からの温度の違いを考えると、よくもまぁ地球は人類を生かしてくれたななぁと思います。これは北の国からの「2012年、遺言」にも通じますが、自然は我々を生かしてれていると考えるるか、生きているのは自然の偶然の結果なのかって思考を惹起しますね。
 私は、数年前の紅白唄合戦でレディ・ガガの歌詞をテロップで「捏造」したNHKに怒りを覚えるのですが、本当の歌詞は「レズでもゲイでも、神様は命をくれたのだから生きる勇気を持て」ってメッセージだったんですがねぇ。それをNHKは紅白唄合戦って場でブチ壊ししたんですね。
 本題に戻りましょう。
 こんな薄い大気層の中で生活してる人類は大気に影響を与えるような活動をしてる(CO2問題とかです)のでしょうか。大気層は薄いので人類が「チョット何か」すると壊れそうですが、実は、そもそも人類が地球上で生きている事が偶然の奇跡で、人類が地球を左右する存在かどうかは議論が必要でしょう。
 「大気層」って地球って惑星で何なのかを認識するのが必要なんですが、テレビの天気予報は雲が地上高700kmくらいにある図示を使いますね。ま、正直言って「洗脳」です。事実を踏まえれば地を這う雲を描くべきなんですが「気象予報士」制度は(私も受験しようと思った)はフェイクな気象情報した伝えません。それは気象庁の「ポチ」を育成する資格制度だからです。それに気が付いて受験しなかったのですが。

薄い大気層と海洋層のどっちが大事?
 地球て惑星を感じる(中々理解は難しいのですが)と人類って宇宙の中での「偶然」なのか「必然」なのか迷いますね。
 でも、生きていけるのは大気のおかげです。だから、大気の構造を書き綴ているのだけれど。ま、逆な大気(メタンとかぁ)で生きる生物も居るのでしょうが、取り合えず人類に限って話しています。
 地球は「水の惑星」なんですが、水が液体である温度は限られています。0℃以下では氷、100度以上では気体です。この熱循環が我々(日本人だけかぁ)の体験する気象なんです。
 水が液体と固体の狭間を行き来するってのが地球の大気なんです。
 そして、そこでエネルギーの吸収や放出があるのが天気です。
 宇宙でも稀な存在かどうかは解りませんが、その大気が薄っぺらいてのは認識しておく必要があると思います。
 で、水が液体で存在する「海」。ここは大気よりも地球環境に影響する存在です。昨今の「プラゴミ」なんかは全然些末な話で、実は地球の大気に影響しているのが海なんです。
 その量を計ってみましょう。以下の図が地球に存在する大気と水を一か所に球体として集めたイメージ図です。
右が大気を集めた球。左が水を集めた球。
出所はここ
 地球の大きさに比べて、我々が生存する大気や水がいかに小さいか解る。もっとも、、人類の身長と地球の直径を比べれば解る話なのだが。ま、ここは自分で計算して下さい。
 地球の大気層の変化は実は海洋層の水の変化に左右されるってのが大事な話。先に地球は水が液体で存在する惑星と書いたが、その水は大気中ででは水蒸気でエネルギーの吸収や放出を繰り返して気象を作っているが、その量は「気体」換算にある。一方海洋は混じりけ無しの「水」換算になる。
 かつて海が凍る氷河期って時代があった、もっと、すごいのは一部の地域が凍るのでは無くて全地球的に凍った「スノーボールアース」の時代もあった。
 日々の天気は我々の生活に直結する事柄だが、そこから「地球温暖化」なんて地球の歴史に関するエビデンスを得られると勘違いしないでもらいたい。
 人生100歳時代だそうだが、地球の歴史は1千万年(100年の5倍の長さ)単位で語られるのだから。
 まず、地球と大気と海洋の知識を体験する「暑いなぁ」から発想するのでは無くて調べてみることだろう。「暑いなぁ、地球は温暖化している、地球を温暖化してるCO2は悪だ」って論法は、起点が自分が感じた「暑いなぁ」に発する演繹法で、実は起点を間違うと成り立たない論理展開なのだってことを書き示したくて、台風の話を連続して書いてみた。
 今日暑いから「地球は温暖化してる」って発想は、今日金がないので私は貧困だってのと同じで、時間のスパンを適正に把握できない人間の性でもある。
 ま「自分の年齢を数えられる人間は居ない」って言葉は的を射てるんだろうなぁと自分自身感じている昨今なのだが。

button  曇って何故空に浮いてるの?
button  コリオリの力(ちから)と地球の話


2018/11/07
Mint