テロと本気で戦う意識が日本国民に有るか?
日本がテロ組織の標的になる日
ついにオサマ・ビン・ラーディン氏の口に「日本」が出てきた。日本が派兵するのなら東京の中心でテロが行われるってブラフ(脅し)だ。こうなってくると、イラク情勢は日本国内ですら非戦闘地域では無くなるのだ。
それでも自衛隊(JSDF)を軍隊では無くて自衛隊と言い切ってイラクに派兵(派遣)するのかどうか、これは与野党の争点では無くて、我々国民がどう考えるかって基本的な個々人に問われる命題なのだ。
自分自身にその意識が無くても槍で突けば槍で突き返されるのだ。そのための矛が必要だ。自衛隊を海外に派兵(派遣)するってことは、相手はテロ組織なのだから国内問題として、より守りを強固なものにしなければならないって側面を持つ。何故なら、国家間の戦争では無くて国家とテロリストの戦いには戦場は無いのだ。
そもそも、戦争は千差万別だ。一般論としての戦争を定義しようとすれば、共通な原因を見出せるのは民族自立運動くらいしか無いのではと思う。例えば、先のイラクのクエート侵攻に始まった戦争は、国連軍中心による国連の議決を経て、イラクの不義を叩く戦争って位置づけになろう。
だが、今回のアメリカのイラク侵攻は「大儀無き戦争」と言われてる。なんせ「大量破壊兵器」が出てこないのだ。日本では大量破壊兵器に「細菌」とか「毒ガス」を入れて報道されるが、国際社会では「大量破壊兵器」と言えば核兵器なのだ。その痕跡が全然出てこない。これが「大儀無き戦争」と言われる事由だ。
で、日本の小泉純一郎の立場は「北朝鮮の脅威にアメリカの後ろ盾が必要なのだから、アメリカの要求には応える」って姿勢でのイラクへの自衛隊派遣なのだ。これで日本はテロ組織からはテロの対象国家に区分けされるのだ。国内もその対象になる。
北朝鮮の脅威を分析
本題と離れるが、日本が考えている「北朝鮮の脅威」とは具体的に何なのか。それをあいまいにして「脅威がある」って論調は何処かおかしい。キチガイ国家が脅威だってのは全然説得力無い。どちらかと言うと障害者差別だ。キムジョンイルがどうであれ、それは内政問題なのだから、口を挟む姿勢がおかしい。
「北朝鮮は日本にミサイルを打ってくる」ってのは腹抱えて笑ってしまう。それはキチガイが暴走した時にしか起こらない。北朝鮮が日本にミサイルを打ち込んで北朝鮮にどんな利益があるのか。それを行ったら日本にはダメージが有るだろう、でも、北朝鮮に国益的メリットが有るのか? その瞬間、北朝鮮はテロ国家として世界から抹殺されるのだ。スマート爆弾で総書記を一瞬で抹殺できるのだ。
それを考えると、「テポドンに備えなくてはいけない」って意見は、根拠の無い防衛産業利権を得たい事由で叫んでいるとしか思えない。「北朝鮮のミサイル論」は国防の見地からは合理的では無いのだ。北朝鮮が何を目的に日本にテポドンを撃ち込んでくるのか、その予想される北朝鮮の論理を示してこそ、私はそれは有り得ると考えると繋がるのだが「テポドン持ってるでぇ」だけで「脅威」なのだってのは心情的過ぎて説得力が無い。
国際的な視野で、客観的に見て北朝鮮が東京にミサイルを打ち込んで得るものは何も無い。ただ、唯一、キチガイならやるかもしれない。でも全然為政者のプラスにならないのだ、一発の爆弾でその決定を下した人間を抹殺できるのが今の戦争の兵器なのだから。
北朝鮮が軍事技術を高めて、大陸間弾道弾とか細菌兵器を準備してるかもしれない。でも、それを行使するのは自殺行為なのだって解らないほど国際感覚が無いとは思えない。6者協議が北朝鮮に辛いのは、まさに北朝鮮にも国際感覚があるってことだろう。そして日本が先の戦争の終焉で必死に守り抜いた国体護持、これが今の金体制護持として北朝鮮の国是になっているのだ。侵略すれば抹殺されるってのは解っている。また、抹殺されないだけの防御が自分たちに無いのも解っている。
その意味で日本はキチガイに備える過剰な防衛投資を行う必要は無い。間違いとキチガイは何処にでも居る。それにそなえて100%の防御をするよりは99%の防御で、残り1%は性善説で考えるべきだろう。99%を100%に上げるには倍のコストがかかるのだから。
正当防衛権は国にもある
ブッシュに言われて援助交際てのが今の小泉政権の施策なのだ。当事者であるイラクとの双方当事者としての会話が無いのだ。イラクは日本に「派兵」を要請していない。それが援助なのだろうか、単なるアメリカの奴隷施策だろう。イラク政府に請われて援助ってのが国としての自主自立の政策だろう。今のアメリカに言われて派兵は属国政治なのだ。韓国と同じなのだ。それで独立国と言えるだろうか。
で、自衛隊員がイラク人を殺したとして、これは国際法的に殺人ではないのか。殺人で無いとすれば「軍事行為故に殺人では無い」となる。軍事行動が禁止されてる日本国憲法下では、軍事行為は無いのだから、殺人である。しかも、イラク政府が認めた武力では無いのだから、アメリカの手先としての殺人なのだ。
イラクの合意もしくは要請が無い時点で、アメリカに請われて出動すれば、それは占領軍の一部なのだ。占領支援なのだ。復興支援はイラクから要請された時に成り立つ事由なの、占領軍に請われて出動するのは復興支援では無い。占領強化でしか無い。
今の状態は無政府なイラクにも国家としての自衛権はある。アメリカの占領に対する自衛権がイラク国内で起こるテロなのだと国際的に認められたら、日本はイラクの主権侵害を行っていることになる。これもまた、「国権の発動たる武力の行使を禁じる」って憲法9条に違反するのだ。
少なくとも、日本は自衛権の行使としてイラクに派兵するのでは無い(出来ない)のだから、一人でもイラク人を殺したときに説明が必要だ。だが、それが出来る法的理論は何も無いのだ。唯一イラク政府に要請された時を除いて。
アメリカ兵によるイラク人の死者数
マスコミは単細胞過ぎる。停戦状態宣言をブッシュが行ってから、どれほどのアメリカ兵が死んだかは報じるが、どれほどのイラク人が死んだかは統計的数値を得て報道することすらできていない。多くのイラク人がアメリカ兵に殺された故の反米感情なのだ。僕の知る情報では3000人とのことだ。
それだけ「自国民を殺している国の軍隊」が受け入れられるはずも無い。まして、その片棒を担ぐなんで日本は有りもしない「北朝鮮の脅威」に脅えてアメリカ追従政策をとり、しまいにメチャクチャな論理でイラクに派兵する。そして、東京がテロの標的になる。
で、最初に戻って考えてみよう。北朝鮮の脅威とは何かってことだ。その脅威は特別日本固有なものとは思わない。世界的脅威なのだ。日本だけが「近隣諸国だから危険度が高い」とは言えない。テポドンの射程距離の全ての国にとって平等に驚異なのだ。テロ国家は一国にのみ脅威なのでは無い。
で、北朝鮮の軍事的対応をアメリカの軍事で押さえてもらおうと考え、ならば、イラク派遣にて恩を売っておこうかって政策は愚策以前に滑稽だ。アメリカは自らの国益にならない事には荷担しない。その最たるものが拉致問題では日本へは社交辞令程度にしか対応していないではないか。
アメリカにとって日本と北朝鮮の間の拉致問題は国益に関係ないのだ、それをアメリカの袖にすがるように6ケ国協議で話題になったてのは外交のなんたるかを知らない日本の恥じだろう。同じように日本に万が一テポドンが打ち込まれても、アメリカの国益との比較ではアメリカが行動を始めることは無いだろう。
唯一、テポドンが大量破壊兵器を搭載してアメリカにまで到達することが解ったときに報復を行うだろう。その時に日本がどのような状態なのかはアメリカには関心が無い。
ただ、それだけの為に、自衛隊を派遣するのか。それは、自民党の政策がいかに場当たり的なのかの証明だ。
方法論が理念に立脚していれば分かり易いのだが、理念が無いので場当たり的な政策としか映らない。この件に関しては、説明責任を果たしてないのだ。