靖国神社参拝問題 国会なんだから立法したら

国会の議論は時間の無駄
 時間が無いので細切れにしか見ていないが、郵政民営化の委員会で竹中平蔵大臣の郵政民営化広報チラシ1500万部、1億5000万円発注疑惑で時間の無駄使い。確信があってつるし上げ決定って事でなければ国会の貴重な時間を無駄に浪費すべきで無いし、締め上げることが可能だったのに、途中で矛先を納めてしまったのはまったくmottainai。
 問題の事件はテリー伊藤と竹中平蔵大臣の対談形式で郵政の民営化が必要ってのを政府公報チラシにして特に地方紙に挟んで一般家庭に配布した。総量1500万部。
受注した業者は昨年3月設立の会社で政府取引の実績は無いが随意契約で受注。業者は竹中氏の政務秘書官と懇意の関係で、下手すれば汚職なのだが、野党の詰めはあまい。
予算委員会でもこの問題を取り上げるが尻つぼみ。まったく、なんなのかなぁって感じ。しかも予算委員会では岡田民主党代表が質問に立ち、小泉首相に戦没者を慰霊する新たな施設の調査費を付けろと迫る。なんだかなぁ。
結局、中国や韓国の意向を踏んで小泉純一郎首相を靖国神社に行かせないだけの施設じゃないか。この件に関しては前に書いてあるので、巻末のリンクを辿って欲しい。
 問題は結論が出ない事に時間を費やすいまの国会運営だろう。野党も相手を切り倒す勢いが無い、それだけネタ不足なのだが。加えて小泉純一郎首相の答弁を誠意が無いとか紋切り型だとか、心象批判していても見ている国民には茶番劇にしか見えない。
 党首討論もマンネリなのは、相手を追いつめるネタと気概に欠ける野党に問題がある。与えられた直接対決を千載一遇のチャンスと思って相手を呑む勢いで挑まなければ消化試合を戦っているようなもんだ。ロッテに向かうソフトバンクのほうがまだ、意地があるぞ。

法律作ればすんなり解決する
 外国から言われて参拝するのしないの問題にすり替えている小泉純一郎首相に切り込めないのは、参拝は個人の自由意志って論点で刀を返してくるから。「あんたは、公人なんだから、分別わきまえろ」って野次のほうが的を射ている。A級戦犯が合祀されてるんですよ、なんて言っても「亡くなられた人は故人ですから、罪を憎んで人を憎まず」なんて言って逃げられる。この一言だって「それでも、あんたは法治国家の総理大臣か」と詰め寄ることもできただろうに、腰砕け。
 民主党も本当に攻めたいのなら「先の戦争犯罪に鑑み、靖国神社国務大臣参拝100年禁止令」なんて法律を上程すれば良い。法律の条文で靖国神社の境内に足を踏み入れてはいけないって規定すれば良い。これは、外国からの指摘でもなんでも無い、先の戦争から100年は戦争関連施設に奉る行為を国務大臣は行ってはならないって自国の国会で国民総意の元に決めれば良いのだから。
 別な追悼施設を作るとか何処かのゼネコンの親玉のような発想こそが、政教分離に違反する。作った施設は維持しなくれはいけないが、これを宗教色無く行う妙案は無い。広島の原爆慰霊碑とかのように年に1回の儀式用ならいざしらず、御霊を奉る施設が例大祭のようなものを行わなければ納められた御霊の遺族が納得しないだろう。
 法律作るのと別施設作るのでははるかに前者が安上がりだ。しかも、名目も立つ。何故、そうやらないのか。結局、うやむやにしておきたいのか。国会が立法府なら行政の範疇の別施設建設よりもよっぽどストレートに靖国神社参拝を辞めさせることができるのに、何故? そんな発想も無い貧弱な思考力の集まりなの国会は。

靖国神社参拝100年禁止令の根拠
 明治天皇の指示で建設された靖国神社は140年程の歴史がある。歴史は文化土壌で無くしたり葬り去ったりはできない。先の太平洋戦争が終わって60年。靖国神社の歴史にとって半分程の長さがある。
 先のA級戦犯合祀(政治主導だったが、実行犯は靖国神社)に伴い、本当は国会議員にまで広げたいのだが、遺族会との関係もあるので国務大臣に限定して、先の合祀の事実に鑑み、戦争責任を痛感した日本国民は、A級戦犯合祀の事実をもって国務大臣の参拝を2045年まで禁止する。って法律を作るのだ。
昭和27年(1952)6月の参議院の議事録がここにあるが、この時点で1200名にも及ぶ戦犯を恩赦で減刑している。この時に、作るべきだった法律を53年を経て作ればよい。しかもA級戦犯合祀は1978年のことなのだ。わずか25年前の事なのだが、その時に今日を読んでいた政治家が居なかったってことだろう。
 とにかく、役人の作った法律の審査では無くて、自ら提出した法律をたたき台に大いに立法府としての議論を重ねて貰いたいものだ。

自国の事は自国で決める
 簡単なことだ。海外からの内政干渉は断固拒否すべきで議論の余地はない。それよりも、海外の批判を受けて、それを明示せずに心情的揺さぶり論議を重ねる国会審議では情けない。積極的に法律を作っていく国会ってのは20年も前から叫ばれている。立法の手法により国を運営するのが国会議員の役割で、立法に準じて作業するのが行政の役割だ。
 総理大臣は国会の代表では無く行政の代表である。議員内閣制であっても立法府には立法府の手腕が発揮できる。そんなに小泉純一郎首相に靖国神社を参拝させたくないのなら立法論争すべきだろう。
 そもそも国務大臣靖国神社参拝100年禁止法は、国内の賛同を得られる法律なのだ。せめて、中国、韓国の内政干渉に屈したと見えない演出が必要だが、それは、つまり、1978年にやっておけば良かったってことだ。
 誰が後ろで操っているのかミエミエの国会論争では国民は白けてしまう。
 自民党内にだって反対論者が居るのだから、さっさと超党派で立法したら良い。

button 靖国神社参拝の戦犯問題はB、C級も含めて語るべき
button A級戦犯合祀の経緯

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2005.06.27 Mint