日本経済新聞(日経)はマスコミとして不適格
何故、誘導記事を掲載したのか
諸説あるが一番悪く解釈すると「
日本経済新聞の記者が記事掲載を事前に知りインサイダー取引」って記事が大きく取り上げられないように対抗する「潰し記事」としてスクープのように取り上げたって説。
これが一番的を射ている気がする。そもそも、どうでも良い記事なのだから、あえてタイミングを計るとすればセンセーショナルに扱われて自社に有利になることだけが目的なはず。先に述べたように昭和天皇の靖国神社参拝が止まったのはA級戦犯の合祀と言うより松岡洋右が合祀されたことへの反発。戦死者は国のために戦って亡くなった人をさし、戦争に導いた人を祭るのに昭和天皇は不快感を持っていた。
この事実を裏づけする証拠として富田メモが日本経済新聞(日経)で扱われてるが、これは大変な捏造に近い情報操作だ。
インタネで入手したこの写真は事実報道されたテレビ画像のものだが、このメモの上端が切れている。そこで、全体写真を見ると上部には「藤尾文部大臣の発言」とある。そもそも「私の心だ」の部分に「朕」では無くて「私」って発言が昭和天皇の発言としては違和感があるが、まさに、藤尾文部大臣の発言をメモした部分を、あたかも昭和天皇の発言のように捏造したのは日本経済新聞(日経)のマスコミの暴力と言えるだろう。
ちなみに写真の記事の冒頭にあらわれる「奥野は」の奥野は1988年4月22日に靖国神社を参拝した奥野誠亮国土庁長官のことで「公人としての参拝か?」と問われて「それは占領軍に聞いてくれ」と答えている。1945年12月に公務員の資格でいかなる神社にも参拝してはならないとの通達を出してることに対しての返答だろう。もっとも、占領下のことで講和条約が結ばれてからは効力が無いのだが。
藤尾正行元文部大臣は元読売新聞の記者
今回の日本経済新聞(日経)の記事捏造には藤尾正行元文部大臣の発言をたくみに利用してるのだが、この藤尾正行氏は読売新聞記者をへて河野一郎氏の推薦を受けて栃木から立候補して衆議院議員になる。河野派から森清・園田直派を経て福田派に入る(現在の福田康夫のおやじの福田赳夫の福田派)。非常にタカ派色の強い人で1973年には晴嵐会の代表世話人にもなっている。
1986年第3次中曽根内閣で文部大臣に就任するが、暴言大臣で、発言の撤回を拒否し、最終的に中曽根康弘総理に更迭されて文部大臣を辞める。一部には、安倍派(現在の安倍氏の親父の派閥)の処遇が冷遇されているので、中曽根首相への反発から暴言を繰り返したって見方も有る。1996年に政界を引退してる。
上記の写真からはその藤尾文部大臣の発言をメモしたと読み取れる。決して昭和天皇の発言では無い。それを日本経済新聞社は昭和天皇の発言のように報道した意図は、先の自社社員のインサイダー取引隠ししか無いだろう。
この富田メモは4月28日の日付で書かれたものだが、4月22日の奥野誠亮国土庁長官の靖国神社参拝を受けて藤尾文部大臣から聞き取った内容をメモしたものだろう。その証拠に写真から読み取れる前段の文字は
『前にもあったが どうしたのだろう
中曽根の靖国参拝もあったが
藤尾(文相)の発言。
=奥野は藤尾と違うと思うがバランス感覚の事と思う、単純な復古ではないとも。』
ちなみに奥野誠亮氏は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の初代会長でもある。
藤尾文部大臣は靖国神社公式参拝はしていない
当時の奥野誠亮国土庁長官も藤尾文部相もタカ派に分類されているが、藤尾文部大臣は一度も靖国神社をいわゆる「公式参拝」していない。中曽根首相の参拝中止を受けて昭和天皇周辺が情報収集した時の富田メモが、あたかも昭和天皇の発言にまで捏造されたのだろう。ジャーナリズムの信頼を失わせる日本経済新聞社(日経)の行為に同業者をかばい合うのかマスコミはメスを入れない。
あきらかに昭和天皇の名を語った捏造記事にもかかわらず、他のマスコミも便乗して視聴率を稼ぐ。そんな商業主義が現在のマスコミの姿だって象徴が今回の騒ぎに見え隠れする。
最も恥ずかしいのは内閣の情報収集力だ、夕方の小泉純一郎首相のぶらさがり会見の前に報道されたテレビ画面から「あれば、藤尾文部大臣の発言でしょう」と切り返すだけの情報が入手可能にも係わらず(現に、インタネでは決定的証拠として把握されている)小泉純一郎首相に伝わっていない。そして、小泉純一郎首相の会見での狼狽振り。まったく、民主党の偽電子メール事件と同様の情報力の無さを露呈している。
国防を預かる行政府として民主党の偽メールに対応できる力があるのに、小泉純一郎首相に情報が届かないのは政権末期とは言え恥ずかしい限りだ。
日本経済新聞(日経)の責任
単にインタネの裏話としてでは無く、日本経済新聞社(日経)の国民への責任は重大だ。ミスリードして世論を形成するなんてのはマスコミにあってはならない行為だ。
それこそがマスコミが一番に反省しなければならない事柄なのだが、身内の傷をかばいあうのか何処も取り上げない。結局、国民は騙され続ける。そんなマスコミが何時か国民からスポイルされる事になる。
第三の権力とも言われるマスコミが自己の都合で情報を操作したら、土台を失うことになる。社員のインサーダ取引よりも情報操作のほうが社会的罪は重い。コンプライアンスの欠如が日本経済新聞社(日経)に見られる。自ら、社内調査とその公表を行う必要がある。自身の姿勢の問題なのだから、外部から指摘される以前に自らを省みる必要がある。
『情報は民主主義の糧である』とかつてアメリカ副大統領のジェファーソンが言ったが、情報が正しく伝わらないと民主主義も危うくなる。捏造でも誤報でも真実を正しく報道する体質が無ければマスコミは存在を許されないのだ。その体質が崩れつつあることを我々は知っておかなければならない。