国際標準はレギュレーション遵守
話しは逸れるが国際標準の精神は平等な規則(レギュレーション)で競争しようってもの。世界標準の労働時間が44時間/週なのに日本人はサービス残業で業績を伸ばしているとか言われるのは公正な競争の精神が広く西欧に広まっているから。そもそもスポーツの精神がレギュレーションの精神で「立ち合いはぶつかるけど、あとは流れでよろしく」なんてのはスポーツには無い。
非常事態だからそこをまげてって対応は国際標準では無い。国際標準が500mSvだから半分の250mSvに急遽変えるって「行為」そのもが国際標準では無い。
詭弁を労しているうちに本質を見失っているのが実態だ。別な表現をすれば政府はオロオロしているってことだ。
3月24日になって原子力安全委員会は累積被曝を計算し公表した。それによると屋内待避の20km〜30kmの地域で累積500mSvの場所もあるそうだ。既に原発従事者の最大値を超えている。30km圏外でも100mSvの地域がある。チェルノブイリ原発事故の時に解ったのだが放射能はホット・スポットと呼ばれる点在する高濃度地点が出来る。その理由は定かではないが、ヨウ素131が空気中で粒子結合し易い性質を持ているので空中浮遊中に結合するのかもしれない。
福島原発事故から既に12日。累積被曝は先に書いたようにトンデモない数値になることを原子力委員会は認めた訳だ。その発表に「分析は、放射性ヨウ素による被ばくの影響を最も受けやすい1歳児が一日中屋外にいると仮定している。」としている。ま、24時間屋外に居ることは無いが、放射能は1歳児を目掛けてくる訳では無い。この報道は毎日新聞だが、キャップは何を考えているのか良く解らない表現だ。
広島・長崎の被曝で得た知見から考えると既に危険域を超えた現状を認識せざるを得ない。過去の数々の公害問題が抱える立証責任は被害者側にあるって公害訴訟の凡例を辿れば、これらの地域で被曝した人の健康問題は保証されない公算が高い。
被曝許容量を改訂した菅直人総理は裁判で被告席に立たざるを得ないだろう。もちろん元総理大臣個人としてであるが。
原発は発展途上の技術
先に書いたが軽水炉で「沸騰水型」と「加圧水型」でリスク評価をすると加圧水型に軍配があがる。効率と生産性では沸騰水型に軍配があがるのだが。
人類のエネルギー利用は人類の生存権を掛けた戦いだ。だから中東の石油に依存する経済バランスを見直す動きが起きている。別にCO2による地球温暖化阻止だけが脱石油の流れでは無い。その中で原子力発電は新しいエネルギー源として着目されるが、これもまた紆余曲折がある。
アメリカのオバマ大統領は「クリーン・エネルギー」として原発をアメリカの次世代エネルギー源にしようと考えているが、今回の福島第一原発の事故はオバマ大統領の中間選挙における支持率低下を招いている。
「沸騰水型」か「加熱水型」かで議論があるように「本当に安全な原子力発電って何なんだ」って人類共通の問いかけに結論は出ていない。
ただ、日本では東芝、アメリカではビルゲイツが率いるキャンドル炉計画は一つの答えではと着目している。人類が核廃棄物をピラミッド建立よりも長い時間管理するのは現実的では無い。であれば、核燃料を搬入し、燃やし、取り出し、再処理する現在の原発の運営形態の根本的発想の転換が必要だ。その答えがキャンドル炉だろう。
実用化には20年ほどかかるかもしれないが、発想の転換により原子力と人類の付き合い方が新たな展開を迎える。
技術革新が頻繁なジャンルで古い原子炉を使い続ける愚策は、有る意味、windows2000を使っていたらある日バイラスに感染したって事と同じに思う。技術には寿命がある。それを国も保安院も真摯に受け止めなくてはいけない。
多くの原子力関係者は「詫びる」姿勢を表明しているのだから。
#緊急情報だが、ベータ線被曝が福島第一で起きたようだ。頑張っている東電社員であることを願う。外注の会社の社員に東電が過酷な作業を命じたのなら偽装委託を東電はやっていることになるのだから。