海江田万里総理の誕生か、民主党代表選

鎖骨を折った原口一博氏は自重の構え
 twitterによると祭りで鎖骨を折ったらしい。それも何回目で、天の啓示で自重すると語っていた。もちろん、代表選の事は一言も語らない。
 反小沢の手法で民主党に対立軸を作った菅直人総理だが、その報復を甘く見ていたようだ。6月2日の内閣不信任案回避の方便は完全に小沢陣営を怒らせてしまった。本来政治手法ってものは曖昧に物事を裁くのが筋だが、政治音痴の菅直人総理大臣には左翼の権力闘争のような目の前の敵を倒すことに専念するあまり民主党をまとめ上げることができなかった。
 菅直人総理の排除の論理が今回の民主党代表選で候補者が乱立気味になった。本来最高トップである党の代表であり総理大臣であるのだから後継者を暗に指名するのが筋だろう。結局、菅直人総理の政治手腕はリーダーにはほど遠く、わがまま三昧で総スカンを食っていたって面を、最後の最後の代表選挙で露呈してしまった。
 小沢一郎氏を党員資格停止で立候補を封じておいたが、そもそも小沢一郎氏は裁判が終わるまで表立った活動は控えているので大したことでは無い。菅直人総理の誤算は党内融和を演出するあまり海江田万里経産省を起用したことだろう。唯一の鳩山派で反主流に属する。しかも、穏和な鳩山由紀夫氏が「ペテン師」と激怒したように「親分の顔に泥を塗った奴」と菅直人総理は見られている。
 小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が海江田万里氏の一本化に成功すれば数の論理で海江田万里総理大臣誕生となるだろう。

原口一博氏は総務大臣に復帰か
 先に書いたように原口一博元総務大臣は小沢一郎氏の命を受けてマスコミの改革に乗り出していた。
1)記者クラブ制の廃止
2)クロスオーナー・シップ(新聞社とテレビ会社の株の持ち合い)禁止
3)電波料金のオークション制の導入
だ。21世紀に残った20世紀の遺物としての放送を中心にしたマスメディアの改革である。
 実は放送法も巧みに2010年に改正されている。以前は放送法の条文には「放送とは(略)無線通信の送信」となっていたものが「放送とは(略)電気通信の送信」となっている。
 つまり、インターネットも放送法の適用を受けることになる。先のクロスオーナー・シップは地方局を増やして利権を拡大しようとした田中角栄氏のアイデアだが、小沢一郎氏はその範囲をインターネットにまで拡大しようと画策しているのだ。そのためには既存の組織を再編成しなければならない。それは既存のマスコミの既得権益の再構築だ。
 インターネット事情に詳しい原口一博氏にそれを行わせる算段だと思われる。

海江田万里総理大臣でこそ全員野球
 ここからは消去法だ。前原誠司氏が総理大臣になればアメリカは戦略を持って潰しにかかるだろう。日本と北朝鮮との関係がより親密になるのをアメリカは好まない。民主党においても前原誠司氏では挙党一致にはなりがたい。先の偽メール事件の例を見るまでもなく、守ってやろうって仲間が少なすぎる。あんなワープロ紙一枚に代表の政治生命を賭けてしまう無謀さは菅直人総理の「思いつき政治」と大差は無い。
 一方、海江田万里氏の場合、後ろに総理経験者の鳩山由紀夫氏が付いているし、小沢一郎氏が居る。特に衆議院の任期の残りは長くて2年、せいぜい1年半だろう。当選1回の議員は落ち着かなくなってくるころだ。とても前原誠司氏では選挙での面倒見が良いとは思えない。結局、票は海江田万里氏に流れる。
 他の候補に至っては現在(8/26)段階で推薦人を20名集められない議員も居るのでここでは語らない。
 海江田万里総理が誕生したら何もしない事だ。前原誠司氏が「全員野球」と言っているが彼はその本質を解っていない。
 全員野球とは全員で野球をやることでは無い。個々人に役割を振ることだ。一般的に野球では勝ちたいって監督の思惑からレギュラーと補欠の構造になるが、この補欠を作らないのが全員野球の意味だ。
 全員を政治に参加させるのが全員野球の政治だ。排除の論理では補欠ばっかりで全員野球は出来ない。そのためには「俺が俺が」って代表よりも「よきにはからえ」の代表のほうが全員野球に近くなる。ま、この「俺が俺が」では痛い目にあった海江田万里氏だから反面教師として経験を生かして何もしない総理大臣を次回の衆議院選挙まで勤め上げることだ。
 民主党には兵隊は沢山いる。大将が居ないのだ。だから、兵隊を大将にして混迷する。大将とは何か「重職心得箇条」を参考にされたい。

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2011.08.26 Mint