「島田紳助」大阪市長が誕生するか

海江田万里総理を外したおまえが言うな!
 なんだかんだ言ってもおめでたい700号記念ですので、軽いのりでやらさせていただきます。
 そもそも「時事問題」ってのは世間の森羅万象の点と点を線で繋いで見てきたようなことを言うもんで、江戸時代の瓦版みたいなもの。妙に納得する人が出てくるように巧みに点と点を繋ぐのがコツなんです。
 島田紳助氏(ま、「紳助さん」と書くのがマスコミのお約束のようですが、ここはあえて「氏」で行きます)が大阪市の市長になる。この点と点がどのような線によって結ばれるかですが、実は既にシナリオができあがっているのです。(見てきたような言い回し)
 島田紳助氏の政界転身は既成事実であり、これはサンデープロジェクトで司会の仕事を受けた段階から考え始めていたふしがあるのです。
 サンデープロジェクトで共演した田原総一郎氏にそそのかされたのか政界への転身を後押ししているのも同じ田原総一郎氏なのです。今回の島田紳助氏の引退に関して田原総一郎氏は非常に養護している発言が目立つ。「島田紳助氏の何処が悪いのか明示しないでただ悪いとマスコミは書いている」との発言まである。
 お笑いバラエティで数字を稼げてレギュラーを6本も持ってしまったら政界への転身は出来ません。大阪市長選挙への出馬に向けて番組の出演を控えて空白期間を作らなければならない。
 この問題で一番苦労したのが現大阪府知事の橋下徹氏だ。最後はやしきたかじん氏に「そこまで言って委員会」の収録済みの番組で迷惑を掛けるが申し訳ないと詫びて、たかじん氏から「気にしないで選挙に出たらええがな」と後押しされて未放映の収録済みを残したまま大阪府知事選挙への立候補表明を行った。


島田紳助氏が居なければ橋下徹大阪府知事は居ない
 「行列の出来る法律相談室」が無ければ橋下徹氏はマスコミに登場することは無く、知名度が上がることも無かっただろう。あの番組は橋下徹大阪府知事以外に参議院議員も生み出している。選挙に強い番組なのだ。
 選挙ってのは知名度が勝負になる。俗に「じばん(地盤)、かんばん(看板)、かばん(鞄)」と言われるが、これは「地盤(支持層)、看板(知名度)、鞄(金)」のことになる。
 この看板(知名度)が一番手に入りやすいのがテレビのバラエティ番組への出演だ。逆に看板(知名度)が無いと地盤に土下座したり、鞄を大量に使うことになる。
 「だけど、待ってよ。島田紳助氏は嫌いなタレントのナンバー1じゃなかったっけ」とのツッコミがあるかもしれない。実は知名度は好感度とは違う。相手が嫌いだって意見も知名度に含まれる。
 仮に大阪市長選に2名の立候補者があったとしよう。平松邦夫氏が(何処が、仮なんだ!)実績も知名度もあり知名度100万で好感度50万としよう(仮に!)。島田紳助氏は知名度は100万だが好感度は10万、加えて嫌いだって人間が100万。これだと島田紳助氏が当選する。大阪のお笑い票が無くても知名度では平松邦夫氏よりも上。知名度が選挙の投票行動に結びつき得票を積み重ねる。
 加えて橋下徹大阪府知事の「鶴の恩返し選挙」だから立候補した時点で大阪都構想は実現したも同然になる。

芸人ならアウトでも政治家ならセーフ(政府)
 今回の引退が「反社会的勢力との付き合い」ってことで100周年を控える吉本興業にとって爆弾だったのが問題であって、政界に転身するのにはノープロブレムだ。そもそも、そんなこと言い出したら「叩けば埃の出るカラダ」の政治家は山ほど居る。「芸人だったからアウト。政治家ならセーフ」ってことだ。
 そもそも、うやむやのまま引退したのが有利に働く。マスコミは引退報道で島田紳助氏の本名での「はせがわ」の事業を一緒に報道してくれた。事業家としての島田紳助氏の成功を頼みもしないのに報道してくれる。市長になっても事業家の手腕を発揮できると有権者を納得させる効果があった。
 そもそも本名の長谷川公彦さん(一般人は「さん付け」が普通らしい)の名前を広めてくれる。
 たぶん、大阪市長には島田紳助の名前では無く長谷川公彦の名前で出るだろう。芸能界やレストラン事業には戻る気がないし、毒舌のイメージも払拭しておきたいから。
 早々に「当選したら副市長は民間から、東国原氏(そのまんま東氏)」なんてぶちあげればお笑い票に結びつく。「芸能界の先輩であったノックさんがなし得なかった事を橋下徹知事と東国原氏とのトリオで実現します」なんて涙を見せたら知名度はますますあがる。
 ま、島田紳助55歳、最後の大阪市長、最初の大阪都知事の道は開けている。

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2011.09.10 Mint