人材不足の民主党は自民党から割愛制度で人材融通を

自衛隊パイロットの民間への割愛制度
 現在はほとんど無いが高度成長時代には民間航空機のパイロットが不足し自衛隊のパイロットを民間航空会社に移籍させる割愛制度ってのがあった。何人もの自衛隊パイロットが民間航空業界に転身したが出来不出来にバラツキが大きかったようだ。
 最近は外国人パイロットや自社訓練生で編成しており自衛隊出身パイロットの多くは定年を迎えて退役している。
 人手不足の民間航空業界に積極的に自衛隊のパイロットを供給したのが割愛制度である。
 鉢呂経産大臣は「死の町」発言で感性の無さを露呈し「放射能つけちゃる」で記者クラブのねつ造に合って就任9日で辞任した。記者クラブの集団謀議があったかどうか定かでは無いが「原発ゼロ」「反TPP」の姿勢を狙い撃ちされたのだとしたら原子力村に対して経済産業大臣として脇が甘いとしか言いようが無い。大臣たるものは自らに課せられた使命を受け止め、慎重に行動すべきだ。なんせ、一国の将来を担っているのだから。
 小学校の担任教師程度の意識ではとても勤まらないし、品格としてお粗末である。
 民主党は政権交代から小改造をのぞいても3回組閣している。どの組閣も成功したとは言い難い。一番駄目なのは構成する内閣のメンバーがトップの総理大臣を支える姿勢に乏しいことである。トップにも問題があるが、リーダーシップとはリーダに依存するのでは無くリーダが率いるチーム全体の結束力やサブリーダの采配によってチーム全体で醸し出されるものである。
 民主党内にその人材が不足しているのなら自民党に三顧の礼で割愛制度で助けて貰うしか無いのでは。

大同団結では無い手法としての内閣運営
 議院内閣制であるから最大政党から内閣が形成されるってのは一見まっとうに見えるが、必ずしもそうでは無い。立法府としての国会では主義主張の違いにより政党が形成されている。内閣総理大臣はその最大勢力から選出されるから内閣総理大臣は政党の意向を色濃く反映した存在である。
 しかし、細川政権の時のように、必ずしもトップは最大勢力から選ばれるとは限らない。また、トップには組閣の仕事があるが、これは最大勢力の、しかも国会議員である必要は無い。憲法でも内閣の構成員は過半数が国会議員であることとしか定義されていない。
 もちろん、自民党にも公明党に共産党にも国会議員は居る。
 三権分立の日本の政治形態では国会は立法府、内閣は行政府である。裁判は司法として分離している。法律を作り日本国の姿を作るのが立法府の仕事であり、日本国を法律に則り運営していくのが行政府の仕事である。
 日本の国会の悪癖は「内閣提出法案」がやたら多いことである。国会は立法府の仕事をしていない。行政府に群がる蠅みたいなもんだ。だから、国会議員は今の半分で十分だろう。その半分は働いていない与党の国会議員から国務大臣を選ぶのは内閣の目的を明確に意識しない総理大臣の怠慢だ。行政府とは何かの意識が全国会議員に誤解されているのではないか。特に民主党には「政権とは内閣である」って意識が焼き付きすぎている。政権とは総理大臣である。ただ、そこまでだ。
 内閣はその総理大臣が作る行政府であり内閣機関説であるべきだ。


自民党も見ているばかりじゃ先がない
 小泉チルドレンが政権交代時に大量に落選したので自民党は長老ばかりの集団になってしまった。それが民主党に代わる勢力に成れない大きな理由だ。ただ、優秀な若手が居ないでも無い。党員資格停止中の河野太郎氏、線の細い石原伸晃氏、兵器ヲタクの石破茂氏その他若手には党に埋没せず国民に存在感をアピール出来ているメンバーが居る。
 自民党はこれらの若手を武者修行に民主党内閣に入れてはどうか。
 東西冷戦の崩壊から政党にはイデオロギー色が失せ政策に大きな差は無いのが現状だ。子供手当でも児童手当でも中身は大して変わらない。
 民主党も行政を回していく視点に立って優秀な人材で内閣を固めることを最優先し、党内の勢力バランスから大臣を選ぶのでは無く、国会全体の中から、加えて民間からの登用も含めて組閣を行う姿勢を持つべきである。
 全ての国会活動は次回当選するためと考えるから大臣のポストを囲い込み、自陣の勢力を維持しようとする。選挙で当選するにはマニフェストをどれくらい実現したのかだって野党の時はマニフェスト選挙を標榜していたが結局、保身と次回の選挙しか頭の中にない。
 そんな腐った志向では坂本龍馬も高杉晋作も無い。
 民主党は自らの力の無さを悟っただろうから、三顧の礼を尽くして自民党と人材交流をしたら良い。自民党も立法府では個別だが行政府では共同責任ってスタンスを取るべきだ。
 国会が一番忘れているのは国民目線で最適解を得るって行動だ。目先ばかり見ていて遠くで取り巻く国民が見えていない。

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2011.09.13 Mint