今一度日本を洗濯致し候の対象は第三極

「選択」では無くて「洗濯」、誤変換では無い
 坂本龍馬の姉:岡上乙女宛の書状に記されているのが「今一度日本を洗濯致し候」の文言。研究論文はお多いので原文を参照するにはこのHPが参考になる。  解釈が多岐に渡るのは「今一度」の部分。既に行われた日本の洗濯が失敗に終わったので再度洗濯しようって考え方が存在し、既に行われた日本の洗濯とは何かを探っている。
 歴史探訪は楽しい娯楽でもあるので、基本的にこの「今一度」は「洗濯致し」にかかり「美しかった日本を(洗濯によって綺麗にし)取り戻そう」と読むのが妥当かと思うが、ま、歴史観は個々人で自ら考えて構築するもので結論だけ押しつけることは本位ではないが。
 今回の衆議院選挙に向けて坂本龍馬を利用して自らを正当化する動きが顕在化している。正直「おまえは、そんな度量のある器では無い!」と切り捨てたいのだが、政治のトレンド(流行)なのか「維新八策」を筆頭に坂本龍馬気取りが多すぎる。
 坂本龍馬はイギリスのグラバーから膨大な軍資金を得て暗躍した幕末のフィクサーであったことは事実で、日本は外国と組んで国益を向上させるってその後の日本の歴史の典型を築いた人物だ。(ま、歴史観を押しつけるのは本位では無いが)。
 日露戦争の時に戦時国債をヨーロッパで売りまくった高橋是清、ロシア後方情報戦に国家予算を抱えて投入された明石元二郎大佐。戦後の電力設備投資を海外からの起債で賄った松永安左エ門。東京オリンピックに向けて新幹線建設の原資を世界銀行からの融資で賄った国鉄。
 すべて、ビジネスモデルは坂本龍馬によって作られたと言っても過言では無いだろう。
 では、坂本龍馬気取りの政治家達は何をバックボーンにしているのか。このあたりでガセネタを飛ばしたのが週刊文春で「大阪維新の会の後ろ盾は成長の家」って記事だ。残念ながらまったくの誤報であるが、編集部に坂本龍馬のビジネスモデルに蘊蓄のある人が居て方針を誤ったのだろう。
 他の政党にもグラバーに替わる後ろ盾があるが日本国の政治の世界に国内のパトロンならいざ知らず、外国のパトロンはいただけない。過去の民主党にはこれがあった。詳細は今は記さないが、自民党だって同じだ。ある意味で政党は坂本龍馬のビジネスモデルを追従している。

とりあえず洗濯すべきは第三極
 政党とは何かを改めて問いたいのが今回の第三極の流れだ。特に衆議院解散が事実上確定した党首討論が行われた11月14日以降に設立された政党や融合した政党だ。政策をじっくり成熟する間もなく付け焼き刃で集まった、もはや政党とは呼べない集団だ。
 集まって何をするつもりか。脱原発だか卒原発だか政策目的達成のために集まったってことは実現したら解散する時限政党なのか。日本の行く末は知らんけど、原発だけは一言言っておきたいってのは国政の政治家としてはあまりにも無責任だろう。では、外交はどうするんだ、防衛はどうするんだと聞いても原発一点豪華主義で集まったので政党としてそれらの課題に格別意見がある訳では無いってことか。
 こやつらの性根を洗濯しないと駄目だ。国政を担う代議員として国民から選ばれるための必須条件すら満たしていない。坂本龍馬が言うように、洗濯して今一度綺麗な政治家になってもらいたい(無理なら引退して貰いたい)
 これは太陽の党と合体した大阪維新の会にも言える。政治素人がテレビの数字獲得に奔走して本質を見失った時点で洗濯したらよかろう。結果は見えている「やはり大阪に置け橋下徹」である。勝てば石原慎太郎の政党、負ければ橋下徹の政党になりさがるのは明らかだ。
 そもそも、選挙で勝利すれば何でもあり、ってのは先の政権交代の民主党(元民主党も含む)の面々の「小沢った」部分だろう。否定する現民主党議員は多いかもしれないが、政権交代後の挙動を見れば明らかだ。上から目線の権力振り回し路線は菅直人総理大臣だけが指向したのでは無く、八ツ場ダムの前原誠司氏、福島第一原発で国民を欺し続けた枝野幸男氏、陰の総理大臣気取りで国政を私物化した仙谷由人氏、教育基本法が改定されたにも関わらず黙殺して国策を後ろに進めた輿石東氏、枚挙にいとまが無い。
 経験不足と情報酌量の余地があると言う人も多いが、結局、性根であり品格であったことは国民は3年間で学んできた。お山の新任ボスザルがやりたい放題していた3年間だったのだから。
 で、ボスザルに追い出されたはぐれ猿が離合集散しているのが現在の第三極だろう。これでは現在のボスザルは超えられない。もっとも、現在のボスザルが引退するのは時間の問題だが。
 今一度、政治家の原点に立ち返り、自らを「叩けば埃の出るカラダ」から「今一度、綺麗な姿」に立ち戻らなくては政治は変えられない。

権力におもねる政治家は退散させるべき
 権力におもねる政治家とは何か。それは政治家であること、党の役員であることがゴールで、そこを目指して活動してきた政治家だ。本来政治家は、そこをスタートラインとすべきなのだが、性根と品格がねじ曲がっているので手段と目的をはき違える。
 この国の形を明示できるのが国政における政治家に求められる最低限の資質だが、特に外交については見識のある政治家は見あたらない。日本の外交が弱いのは外務省ばかりの責任では無く、国際感覚の無い国会議員が多いからだ。だから、民主党は鳩山由紀夫氏を最高顧問で外交担当にした。人材が居ないのだからしょうがない。外交なんて閑職だと思っているからそんな人事になる。
 国会の責務は外交と防衛、つまり国益の追求なのだが、税金のばらまき方法が国政だと勘違いしている。しかも、「足りないからもっとくれ」では工夫がなさ過ぎる。公務員改革はどうなったのか埋蔵金は権力を取ったら秘蔵金にしてしまうのか、赤穂浪士は敵を欺くために料亭で宴会を重ね「昼あんどんの大石内蔵助」の情報戦を行ったが、今の民主党は昼間っから宴会でこれが途切れることは無い。
 面倒な課題は民主党に丸投げして、自分たちが何処で政治を危めたかを反省しないまま3年間を過ごしてきた自民党も大同小異だ。長老もここに来て政権政党である民主党のあがきを自ら政権政党に復帰して被りたくないので引退が続出している。3年間は惰性で過ごした3年間だったのか。
 洗濯しなければならない対象は政治家全てに限らない。官僚もやりたい放題だった3年間だ。消費税は上げないって政権に消費税を上げさせたのは官僚主導政治を国民に広報した。国民はこれに対して公務員制度改革を目指す政党を選ぶだろう。
 原発なんてのは政策では無い。電力会社の経済問題なのだ。そして、市場の電気料金に対する許容範囲に依存する。自民党時代には核武装する原料としてのプルトニウム製造プラントとして原発は国策だった。しかし、政策には賞味期限があるもので、これだけ貯まった核のゴミ対策が政治に求められる。ゴミ処理を政策にしないで何のための政治なのか。原発を止めたら貯まった核のゴミは自然に堆肥になって行くと思っているのではないだろうか。
 まず、第三極だ。品格が無く、自己愛が強く、性根が曲がっていて、自分の利益だけで物事を判断する。まずは、洗濯して綺麗なカラダになってから、それから話を聞く。


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2012.11.30 Mint