原発事故対策は火山ハザードマップの手法で

活断層議論が活発だが
 原発の安全管理に活断層の有無を重視しているが滑稽の極みである。20万年前に断層のズレが有ったか無かったかが原発の安全性に「極めて」関係するとは思えない。そもそも、最新の地震学では機知の活断層が原因の地震は全地震の半分にも満たない。相関があるのか無いのか、そもそも原因と結果が真逆ではないのか。議論は結論を得ていない。もっとも、人類が活断層を判定できてから起きた大規模地震の数は統計的に優位なほどの数は無い。その統計における「誤差」を認識せずに活断層は地震の原因」とは言い難いのが現状だ。
 そもそもプレート型の地震は海底で起きるため、活断層との因果関係は検証できない。内陸型の地震では、2000年の鳥取県西部地震(M7.3)、2004年の新潟県中越地震(M6.8)、2007年の能登半島地震(M6.9)、新潟県中越沖地震(M6.8)、2008年の岩手・宮城内陸地震(M7.2)も、活断層のない場所で起きていた。
 活断層が見つかると地震が起きると言うが、活断層は過去の地震の跡では無いのか。地震の頻度の多い地域で過去の活断層が見つかるのを、地震の原因と読み違えているのではないか。
 そもそも活断層と地震の関係は地震学者の推測を出ないのだ。
 逆に明らかなことは地震学者は、東日本大震災について「30年間に大地震が福島県沖で起きる確率は0%、茨城県沖で15%」、阪神大震災について「30年以内に0.4〜8%」、2008年の岩手・宮城内陸地震は「300年以内にほぼ0%」、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震、能登半島地震、新潟県中越沖地震などはそもそも想定していなかった。これは公知の事実である。
 70年代学生運動が華やかな頃に大学の教授を指して「専門バカ」と表現したが、地震学はまさに「専門バカ」で日本の国益、エネルギー政策など眼中に無く、根拠の不明な自己主張を行う病巣である。これの尻馬に乗って「活断層有り=危険=廃炉」。「活断層無し=安全=再稼働」なんて論調を広めるマスコミは風評被害の加害者である。

地震学が目指す原点に立ち返れ!
 「国民の生命と財産を守る」ために地震学に血税が投入されてきた。東海大地震対策である。それが「地震は予知できる」と叫ぶ学者の生命(生活)と財産(論文)を守る糧にすり替えられてしまった。あえて、原点に戻れと言いたい。
 地震学と隣り合う火山学では違った発展を遂げている。火山と地震を比べると日常生活への密着度は地震のほうが大きいが、我々は「歴史に学ぶ」ことにより火山学の研究方向を検証できる。
 最近では雲仙普賢岳の火砕流(1991年6月3日)による死者・行方不明者43名の被害、有珠山の噴火(2000年3月31日)の事前予測と10,000人規模の避難により死者0名が思い起こされる。
 地震は何時、何処で起きるか解らない。少なくとも火山は何処(噴火口では無く、火山そのもの)については事前に解っている。これは原発も同じである。原発も何処にあるか解っている、何時事故を起こすかは地震や火山と同じで解らない。
 地震学では火山の噴火をひたすら待つのでは無く火山周辺の自治体とハザードマップを作るのに勢力を注いでいる(ま、何時も何処かで火山が噴火しているわけでは無いので「暇」(良い意味の暇)を有効に使っているのだが)。雲仙普賢岳事故以前は火山は温泉観光地に多いので周辺市町村はハザードマップを作ることにより危険だと知らせる風評被害で観光客が減るのを嫌って非協力的であったが、最近は周辺自治体もハザードマップ作成に積極的になっている。
 ハザードマップが最も有効だった有珠山噴火を受けて、今では富士山噴火時のハザードマップまで出来ている。富士山噴火のハザードマップの内容は最悪の場合の想定から始まるので衝撃的だが、ハザードマップとは、最悪の状況を踏まえて、そこまでならないだろうが、何があっても「想定外」とは言わない。を、基本にしている。
 だから、富士山噴火ハザードマップは宝永大噴火を想定して作られている。かの、新井白石が江戸にて「よべ地震ひ、この日の午時雷の声す、家を出るに及びて、雪の降り下るごとくなるをよく見るに、白灰の下れる也。西南の方を望むに、黒き雲起こりて、雷の光しきりにす」と書いている。新田次郎の「怒る富士」に出てくる富士山大噴火である。
 ハザードマップ作成の過程において「想定外」を「想定内」にすることが出来る。
 今の原発の地震学者の活断層論議は不毛である。原発の安全性に対して地震学者が学説を戦わす場を提供する愚を犯すべきでは無い。国民の利益になるのは原発は安全であるって安全管理からのアプローチ(特に工学的アプローチで地震予知も出来ない地震学者は何ら貢献しない)と、万が一の事故に対応するハザードマップの整備だ。

原発ハザードマップの要件
 火山ハザードマップ作成の手法が参考になる。まず火山では知られている過去最大の噴火を想定する。原発ではチェアルノブイリ、スリーマイル、福島第一を想定すれは良い。ちなみに、福島第一でばらまかれた放射性物質はチェルノブイリの総量の15%程度で、しかも半分強が太平洋に降り注いだって地勢的特性がある。逆に、中国や韓国で原発事故が起きたら日本は風下で被害を受けるのだが。
 もっとも、過去の大気中核実験で降り注いだ放射性物質は国民に知らされることも無く、風評被害も発生しなかった。ま、マスコミが理系人が多かったのかもしれないが、ま、これは余談だ。
 屋内待避はあり得ない。全て退避であるべきだ。既に屋内待避で食料品等の供給出来ずに生活が成り立たなくなった事例が多数ある。屋内で飲む水道水は屋外から来る。
 ヨウ素剤も不要だ。ヨウ素剤の服用手法を読めば解るが40歳以上は服用の必要無しとなっている。逆に言えば、若年層には効果があるのだが、そもそも、若年層をヨウ素剤を飲まなければならない環境にさらすべきでは無い。
 火山の溶岩と火砕流を避ける物理的避難と同等の避難を行うべきだ。そのために人を運ぶ輸送機関の整備が大切になる。多くの人は自家用車で周辺住民と助け合って避難となるので避難所の駐車場と給油設備の整備が必要になる。自力避難できない人は地震による津波なら歩いて高台へとなるが、原発事故では公共の輸送手段をかき集める必要がある。
 被害の復旧については汚染地域は溶岩流に飲み込まれたと解釈すべきだろう。土地の所有権は残るが価値はゼロに近い。将来、火山公園として自治体が買い上げるとして、基本は戻って生活の再建なんて出来ないことを前提に対処方法を考えるべきだろう。民主党が後手後手に回るのは、何時か帰ることが出来るって、放射能は時間ともに腐って無くなるって文系の感覚が原因だ。溶岩流に覆われたのと同じなのだからハザードマップでも明記すべきだろう。
 各自治体は「原子力安全協定」なんてのを結ぶのに交ぜろなんて言ってないで、原子力安全管理手法(全ての国民に公表されるべき)の検証と、危機管理対策としての原子力ハザードマップの整備を行うべきだろう。
 福島第一原発事故の前に原発ハザードマップの作成に着手されていれば、立地場所に4機も5機も原発を集中させる愚は起こさなかっただろう。全機事故のハザードマップを見たら立地の危険性が明らかになっただろう。
 活断層論議で踊ってないで、ハザードマップ作成で地に足を付けた原発対策を開始すべきだ。


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2012.12.28 Mint