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立ち位置を明らかにしておく
TPPを語る場合に恣意的に「最悪の憶測」をめぐらし、だから反対って論を張るヒョーロンカが多い。そもそもヒョーロンカの多くは不安を煽って反対か、メリットだけ論じて賛成のどちらかだ。私の立ち位置は初期の段階ではTPP参加反対であったが現在は賛成である。初期の段階とは民主党政権時代で、国内も海外もまるで政治が出来ない民主党の状況では国内で学級委員並の政治をしていても失笑をかうだけで済むが、外交面では未来永劫に渡って残る条約の締結であり、単に民主党の政権与党としての責任だけで済まされないからだ。 明治政府が徳川幕府が結んだ不平等条約により貿易に多大の不利益を招いたのを解消する努力は大変なものだった。小村寿太郎や高橋是清が「日本を真の独立国にする」ために払った努力はまさに「政治主導」そものであった。 もっとも、高橋是清は日露戦争の戦費調達に貢献した戦犯との意見もあるが、所詮、政治家とは人類の崇高な哲学よりは国益を優先する使命を帯びているもので、そのような話は哲学者に任せておけば良い。しかもヘーゲルが言うように哲学とは「ミネルバのフクロウは黄昏に飛ぶ」のだが。 政権が自民党に替わってTPPへの参加を支持するようになった。何故なら、自民党政治は民主党と違い「過去に学ぶ」ことが出来る政治だから。ドイツの宰相であるビスマルクが「賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ」と言ったが、少なくとも清濁併せ持つが、自民党には「歴史に学ぶ」知恵があると思う。だから、最近はTPP参加には賛成である。 貿易において自国産業を養護する関税撤廃は世界の流れである。これが環太平洋におよんだのがTPPだ。各国は自国の得意とする分野で積極的に他国と貿易が出来るようになるのが良い。それこそが相互依存の国際連携であり、人類の効率的発展を促すために必要な手法である。 先に「国益を優先するのが政治家だ」と書いたが、TPPの目的は政治家の国益を超えた所に存在する。各国が国内だけでなく国際的に得意分野で活躍するマーケットを広げるのがTPPの精神だ。 |
2013.03.20 Mint
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