|
米の関税率776%は大嘘
まず、米の関税は率では無くkg当たりの額で決められている。このことは事実だ。WTO協定税率と呼ぶから関税は全て「率」と勘違いするが、日本にコメを輸入する場合の関税は341円/kgと決められている。米の値段は1俵(60kg)で語られることが多いので以後は60kg換算で説明する。米の関税は20,460円(60kg換算、以下表記略)である。輸入タイ米が4000円なので、合わせて24,460円となる。 関税率は関税÷商品価格なので20460円÷6000円=341%である。 何故、778%なんてのが一人歩きをするのか。逆に20,460円の内に関税が778%ならば原価は2629円だ。そんな安い米はインディカ米のクズ米にしか無い。 一方、コメの国際価格では日本のコシヒカリは香港で22,800円程度である。中国産のジャポニカ種でも6,000円程度する。 778%は、日本のコメの関税がいかに高いかをためにする不適切な用語用法だ。正確なエビデンスで物事を検証しないで、感情的に反応する「B層」を狙ったマスコミの確信犯に欺されてはいけない。 ちなみに現在の日本の標準的生産者米価は15,000円と言われている。小規模で等級の低い地域では10,000円ポッキリって所もあるそうだ。一般にコメの収穫量は一反(10a)当たり10俵と言われているから、一反で15万円の収入になる。1,500万円にするには100反(1ha)が必要となる。1haは100m四方である。これ以下では年収1,500万円は得られない。 肥料、機械の減価償却等々を考えると1ha以下では米農家として生活できない損益分岐点だろう。実際に生産高と必要なコストは耕作面積が増えるとコスト率が下がるのだが、10haを超えるとコストは釣り合ってそれ以上減らない。コメ作では1〜10haの間にそれぞれの手法による低コストの最適解があると言われている。 さて、日本のコメが食用で15,000円、中国産のジャポニカ米が26,000円(関税有り)だから、その価格差は関税による輸入障壁だ。しかし、関税が無くても中国産のジャポニカ米は先に書いたように香港市場で6,000円。日本の40%程度だ。しかし、日本のコシヒカリは同じ香港で22,800円で取引される。コメは品質が価格に反映される作物なので、日本のコメは品質が高く国内より海外で競争力がある。 |
ツイート |
ツイッターはここ |
2013.04.17 Mint
|