「脱原発」は選挙運動では無くて啓蒙運動

よそでやってくれ!
 東京都知事選挙の政策が「脱原発」ってのは無意味な選挙活動だ。東京都知事が原発に関与できる場面は無い。脱原発の思想信条は持ち得ても政治活動に反映させ「脱原発」を実現する能力は微塵も無い。
 原発再稼働のプロセスは、原子力規制委員会が審査しその結果を受けて政府が決める。立地知事の承認は法的なプロセスでは無い。あくまで「住民合意」ってセレモニーだ。しかも、東京都には原発は無い。
 都民の代表として都政の舵取りをする東京都知事が手が出せない「脱原発」で何をしようというのか。沖縄県知事が「JR安全運行運動」を選挙の争点にするくらい馬鹿馬鹿しい話だ。(沖縄には鉄路が無い)
 そんなトンチンカンな政策論を持って東京都知事に立候補する候補者に東京都民が票を入れるとすれば、それはアンチ桝添票か、もしくは、雰囲気に流されて自分で考えない都民だろう。
 マスコミは東京都知事選挙で「脱原発」が政策たり得ないことを伝えるべきだ。「数字を稼ぎたい」だけで報道する姿勢を改めるべきだ。物事の本質を伝えてこそジャーナリズムに裏打ちされたマスコミなのだから。
 なんら実効性が無い東京都知事選挙での「脱原発」は、東京都民を愚弄するものだ。何も出来ないことを解っていて「やります!}と言うのは詐欺に近い。そんな選挙運動は「よそでやってくれ」。

小泉流政策論議
 小泉純一郎元首相にも前科がある。郵政民営化に反対した参議院に衆議院解散で対抗したことだ。憲政の基本を完全に逸脱している。この時もマスコミは「憲法違反の衆議院解散」とは言わずに「郵政選挙」とはやしたてた。結果は小泉純一郎元総理派の圧勝で郵政民営化が進められた。「世論を味方に付ける」とは聞こえが良いが正確には「世論を操作して有利に展開する」が事実だろう。
 そもそも、郵政民営化で国民生活の何が向上したかをふり返ってみると、差ほど改善された事柄は無い。国が有価証券として郵政の株を保持し、将来売却して収入を得られるくらいだろうか。ただ、その売却は国民から資金を吸い上げることなのだが。
 日本はエネルギー自給率が4%しか無い。多くのエネルギーは外国からの輸入だ。原発を火力発電で補うことで貿易収支は常に赤字だ。かろうじて貿易所得がそれをカバーしているので日本の富が海外に流出する事態は防いでいるのが現状だ。
 国民生活を第一に考えるならば、東京都がやらなければならないことは山積してる。少子高齢化対策を率先して行わなければならないのは大都会の宿命だ。人口が多い、人口密度が高いってことは「人への政策」が他の都市と比べて優先的に取り組まなければならないからだ。
 自分の主義主張を実現するために政治をやる。これが小泉純一郎流だ。それが、国民の(住民の)利益になったか。今一度考えてみると、答は明白である。
 我々が政治家に托したものは、我々の利益として還ってこなくてはいけない。その意味でも小泉流ってのは民主政治の今回からは遠い政治手法だ。


細川vs桝添では悲劇の選挙戦
 どちらも東京都知事にふさわしくない。辞任した猪瀬直樹前知事は徳洲会から5000万円だが、細川護煕氏は佐川急便から1億円だ。これをうやむやにしたまま政治の世界から足を洗った。マスコミを追求の手をゆるめてしまった。
 桝添要一氏については前回書いた。
 実質敵に、この二人が争う東京都知事選挙は不毛な選挙戦だ。一方は出来もしない政策を公約として選挙戦を戦おうとしている、一方は品行に問題が多すぎる。このどちらかから東京都知事を選べと言われた都民は、東京都からの引越を選択するかもしれない。
 まだ、猪瀬直樹氏のほうがましと今更言ってもしょうがない。
 東京都知事選挙は「後出しジャンケンが有利」と言われるが、今の状況であえて火中の栗を拾うような候補者は現れないだろう。しかし、現時点では東京都知事にふさわしい候補者はまだ立候補表明していない状況にある。
 1週間、スタートラインに誰が並ぶか興味を持って見つめていよう。

button  東京都知事は舛添要一で良いわけがない
button  食材偽装表記なんて昔からの日本文化だろう


2014.01.16 Mint