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経営には柱が必要
資本主義社会(正確には資本本位経済社会)では企業は公器である責務を強いられる。「値上がりしまっせぇ」とか言って原野を売りさばいている会社ですらを閉めることは許されない。それは、公器として経済活動を回すことが義務だから。会社を閉めると各種の支払い、例えば従業員の給与とか事務所家賃とかがゼロになり経済的活動を消滅させてしまうからだ。
経済とは富では無くて流通なのだ。だから、景気が良いと言うのは貨幣が回っている状態で止めてしまえば経済は縮小する。 面白い事例だが、子供村を作って1週間(1日は一時間程度)でそれぞれ商売を行い貨幣の流通を体験する学習を行った。各自、ケーキ屋とかパン屋とかゲームセンターとかを疑似的に(仕入れは生じない)を務めた。あらかじめ配布された子供紙幣で売ったり買ったりを行う。店の収入の一部は貯蓄に回される。 1週間が経って最後の日に溜まった子供紙幣で遊ぼうとしたら、皆が同じ考えなので店が閉まっている。一部開いているパン屋は何時もの値段の倍の値段で販売している。でも、そこで買わないと他に店舗は無いのだ。 結局、子供たちが学んだことは世の中には需要と供給(小学生には概念よりも体験で解った)がある事と、貯蓄は本来の経済の流れにとって必ずしも有意義では無い。これは、大人にとっても理解は難しいだろう)ってこと。 で、その話では無くてJR北海道の話が本筋なのだ。 2019年9月にJR北海道旅客鉄道は収支状況を公表した。この発表資料は前に発表した路線定義分類を微妙に変更して同じ路線でも分割して儲かる路線と儲からない路線を区分けしている。 別画面で開くので、その一覧表を参照しながら話を読んで欲しい。 ここに発表された路線別一覧がある。 その内容は後述するが、基本的に鉄路はA地点からB地点を結ぶ機能なのだが、妙にC地点を間に挟んでいる。これは途中通過路線って考え方で本来の路線の意味をはきちがえている。例えば札幌ー旭川路線を中間点の岩見沢で区切っているが、岩見沢から先に進む需要を考えると「岩見沢から先は赤字だぁ」ってのは鉄路の経営の原則に反する行為だ。 A地点からB地点までの乗客が多いのはC地点までの乗客の利便性を含んでのことだ。C地点までしか行かないのなら現在の乗客はB地点までは代替輸送を求めるのだ。 そのJR北海道の収支状況が2019年9月に公表された。 全路線で赤字である。 企業として成り立ってないのだ。やればやるほど赤字ってのは民間企業では存続できない。明日にも会社更生法を申請して会社を閉めるのが資本本位経済社会の原則だ。にも拘わらず、恥ずかしくも無く500億円もの赤字があるって公表出来るのか。 実は株式会社の株主に責任(と、言うか意向)を忖度してる。 潰せない会社はなんぼ赤字を出そうが潰さないって株主(国なのだが)の背景を踏まえて堂々と(か、どうかは知らないが)JR北海道は赤字経営の実態を公表する。 |