UFR動作による停電と送電の仕組み(2)
UFR動作による停電、その2
 先の「UFR動作による停電」は焦点が絞られてなかったので、別な観点から電気の「送電」を書いてみたいと思います。
我々が自宅で使っている電気は「2相交流」ですが、直前の電柱までは6600Vの3相交流で流れてきます(前述)。
これを最近は3線配電と言って、家庭内の電源盤に「2相100V」と同じく「2相200V」で配電します。
最近は200Vの家電(クーラーとか融雪パネル)の利用が多いので、この方式に替えています。電柱から何本の電線で自宅に接続されているかを目で確認すると解ると思います。
で、UFR動作による停電ですが、実は電気は発電量と消費量が一致する必要があるんです。あなたが、自宅で電子レンジを「スタート」すると、その分、発電所は電気を作る必要があって、発電量を増加させます。(このあたり文系の新聞記者が記事を書き間違って3/19日の北海道新聞の朝刊に「お詫び記事」が出てますが、非常識のそのまた先ってくらいの間違いです)。
前回は、このあたりから「専門技術に走り過ぎた」ので、要点を絞り込みます。
交流送電では「基本周波数の変動」を計って電力の需給を調べることができます。
実は、交流では消費される電気(これからは、電力と表現します)には位相差が生じます。つまり、電圧が上がっても電流に遅れが生じる電気機器が多いのです。
発電所は「電力」を供給するのですが、交流送電の場合、供給先の要望が電圧なのか電流なのかによって「電力」の質を考える必要があります。
で、現在の皆さんの家庭での「力率(電圧と電流の差)」は契約段階で60%になっているはずです。つまり、受けた電力の60%を消費したと定義されてるんです。
多くはモータを扱う機器で、冷蔵庫なんかが筆頭でしょうね。
これは、電圧と電流の位相差から生じます。損失(ロス)ではありません、交流送電で生じるものです。
で、実は「皮相電力」って問題が生じます。
電流を多く消費して、電圧を必要と(一定で良い)機器(例えばロードヒーティングです)が増えると100%の「力率」なので40%も「割引」になってしまうんですね。 UFR動作による停電から、かなり逸れたなぁ、次回に話を移します(映画:海峡を見終わってないしぃ(笑い))

2022/03/19
Mint