異次元の少子化対策は国政なのか
「少子化対策」は国政なのか
 考察を開始する前に「異次元の少子化対策(スタートライン)」を整理しておく必要があると考える。
それは「異次元の少子化対策は政治(国政)の「課題」か?」ってこと。
良く言われるのは「政治は国民の1)生命、2)財産、3)平等を保持する行為」と言われる。広範囲だが、
1)生命
 安全保障(国防)から「生活保護法」まで広い。
2)財産
 これは国土保持が含まれるので「安全保障(国防)」から「固定資産税法」まで、幅広い。
3)平等
 これは憲法に明記されているが、どちらかと言えば「司法」の分野に関係するのだが「立法」で言えば「医療保険制度」が含まれるだろう。

 では「異次元の少子化対策」は政治家(この場合、この用語は「国会議員」に現限定している)の行為の何処に分類されるのだろうか?
 私は「国政」の課題として行うと失敗すると考えている。実は「少子化対策」は都道府県の「政策」に委ねる「案件」なのだ。
 それを「財政支援する」までが「立法府(国会)の職務分掌」だろう。
話は逸れるようだが「ふるさと納税制度」は30年程前にトレンドだった「地方の時代」を具現化した「政策」だった。
 今回の「少子化対策」も地方(市町村)の「競争」を惹起する制度設計を行うべきだろう。
 この観点から「国会の行う「異次元の少子化対策」」について述べていきたいと考えている。
国策としての「異次元の少子化対策」が「産めよ増やせよの歴史」を再度踏まないかと、若干の危惧も持っているので。

少子化対策は地方自治体の政治
 先にも書いたが「異次元の少子化対策」は地方自治体の「マター」だと思う。何故なら地方自治体はどんな社会(市町村)にしたいのかを考える基本集団だから。
 それぞれの自治体(市町村)が「どんな町にしたいか」を議論するのが地方自治の原点になる。その中には「高齢者福祉の充実」とか「高校生まで医療費無料化」とか様々な政策(地方議会の立法(正確には条例))が作られる。
 極端な言い方になるが「地域(市町村)の町づくり」は「現場主義で行う」って基本を国会も地方自治体議会も了解しなくては「異次元の少子化」政策が無意味になるだろう。
 私は「北海道212市町村(当時)を自転車で訪問しようと挑戦したのだけれど、市町村を跨ぐと雰囲気が代わることを感じた。これを最初は「栄えている町に隣接する町は栄えていない」と勘違いしていた。実は「市町村の「町づくり」の方針の差が12年(一般的に組長の任期は3期12年くらい)を経過して市町村の「性格」の違いが出ているのだと気が付いた。
 「うちは隣町も含めて「異次元の少子化対策」を行う」って仕組みは現在では地方自治制度では難しい。他の市町村に住む住民に「町民税」を使うことは難しいのだから。
でも「住民登録を移せば「町民」」である。
 ま、この仕組みは「大阪市で中国からの移住(入国)で「生活保護申請ができる」って法律の「穴」とも言われるが「広く賛否両論」になるマターだろう。
 私は自転車での旅で「体験」したのは「市町村には「色がある」って感覚」だった
 現場主導で行える「異次元の少子化の制度設計」が国会議員(国政)で出来るのか?
そのあたりを詳細調査して行きたい。 
少子化対策は「地方自治の原点」
 地方自治体(市町村)には「市町村生涯設計」が行われている事が多い。  組長(市長、町長、村長)に立候補する時に「公約」として含めているのが半数はスローガンに終始する。その中で「市町村生涯設計」に触れている立候補者も少数だが存在する。
 具体的には「今、この町は、どんな状態(現状分析)で今後、どんな状態に(状況変化)向かっているのか(ま、私の仕事であった「マーケット・リサーチ」とPDCA(Plan Do Chek Action)の手法だ。
 私は選挙公報を読むが、このセンスが無い選挙公報に記載されている候補者には「投票しない」。そのためか投票所に行っても「白票」って場合が結構ある。
 実は「市町村生涯設計」の話を聞いたのは年齢が30代後半の頃の北海道の十勝地方の「音更(おとふけ)町」だった。
 当時、帯広市の「ベッド・タウン」として住宅開発が始まったのだが、開発業者に開発住宅に当時の価格で1000万円から2000万円の分布で建設するようにと「指導」していた。民間の住宅開発業者は高額ほど利益が大きいので「難色をし召した」のだが、ここは町側が譲らない。
 それは、さらに20年ほど前の現在「北広島市」(当時は北広島町)の例がある。
 北広島団地は札幌市のベッドタウンとして「住宅団地」を開発したが、価格が手頃で販売は盛況だった。だが、音更町では購入者の世帯主の年齢を分析して「一斉に定年に(当時は60才)なる」と知って驚いた。
 実は、石狩市(当時は石狩町)の花畔団地も分析し、同じ傾向で「まずいな」と考えた。
 そこで「音更(おとふけ)町」は「幅広い年齢層が住む帯広市のベッドタウン構想」を推進した。将来に数年で高齢化社会にならないように「年齢幅を広げた住宅団地」を目指したのだ。
  そのために「当初は児童公園(現在は「街区公園」)の整備。10年後には「小学校、中学校へのスクール・バスの整備」
 15年後には高校の誘致」
 20年後には農業関連の「加工企業の誘致」
 30年後には新たなベットタウンの開発
 40年後には「高齢化社会施設の建築」
これが「市町村生涯設計」の見本だろうなぁ。
ただ、組長は4年毎のバトンリレーなので、書き換えられる事が多い。
だが、市町村に「企画部」の部門が有るのは少ないのだが「人口の年齢構成と、必要な政策」を国は考えてくれない。
 地方自治の精神を生かせるのが「市町村個々の生涯設計」の有無なのだ。
 約1300ある市町村が「それぞれの人口状況を分析して、最適な「異次元の少子化対策」行える仕組み」が国政が行う「異次元」だろう。

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2023/01/26
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