RV車に付けられたカンガルーバーに違和感

OhmyNews(2009年4月30日閉鎖)掲載の記事です
 街を走るクルマを見ていると時々不思議な車にでくわす。車の前面にカンガルーバーを取り付けたいわゆる昔のジャンルで言うRV車だ。昨今はステーションワゴンやミニバン、SUVもRV車のジャンルに含まれているが、最もゴツイ初期のアウトドアタイプの車にカンガルーバーを装着したものが多い。
別名でブルバー、グリルガードなどとも呼ばれている。
このカンガルーバーはその名前の由来のとおり、オーストラリアで走行中にカンガルーと激突して車のラジエターなんかが損傷し車の走行が不可能になると乗員の生命に係わる(なんせ、100km以内に人は居ないなんて事態はザラな土地だから)のでカンガルーには申し訳ないが、車と生命を守る自己防衛のために設置される。
日本でも公道走行で大型動物に衝突する事は皆無とは言えない。現に私の住む北海道ではJR北海道で「鹿の飛び出しによる緊急ブレーキに注意」と特急の社内放送で案内される。実際に列車や自動車の衝突事故も起こっている。
しかし、仮に車が故障で動けなくなっても、オーストラリアのように生存の危険が発生するのは稀だろう。
そもそもカンガルーバーは衝突から自分の車両を守るためにあり、衝突した相手の損傷は考慮されてない。そのため数年前からメーカーサイドでは新車では樹脂製のカンガルーバーはあっても、金属製は発売されていない。
しかし、中古車やパーツ業界ではいまだに金属製のカンガルーバーを発売してる。
考えてみると良い。金属バットが時速50kmで飛び交っている様を。バッテキングセンターで空振りを繰り返す時速90kmの速度で金属バットが飛んでいるのだ。
また、車高の高いRV車に準じて道路が整備されていない。歩道の段差、中央分離帯の段差、これが大口径のタイヤを装着したRV車には有効ではない。直ぐに乗り上げてしまう。
交通事故死10,000人の頃には「走る棺おけ」と呼ばれたクルマだが、一万人を切って昨今は自殺者三万以上に目が行くが、本来、交通事故死はゼロにまで下げるのが社会がクルマを容認した背景にある。
わざわざ危険なものをクルマに装着し、事故の被害を拡大する危険を冒す必要は無いだろう。現在、装着中の方は面倒でもカンガルーバーを外して事故拡大のリクスを低減してもらいたい。

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2006.09.27 Mint