めちゃくちゃな防衛省に責任能力はあるのか
小学校の学級員会を見ているようだ
警察と軍隊。先の第二次世界大戦の頃にも同じ確執事件が起こっている。現代でも同じで、自衛隊の戦車がウインカーを付けているのは道路交通法の規定による。もちろん、曲がるときに戦車がウインカーを点滅させなければ道路交通法違反になる。
その意味で文民統制の原則から自衛隊は国内法を遵守しなければならない。これが基本。但し、国防は国内法に優先するって意見があるのは承知している。それが、数年前に論議された「非常事態対処基本法」の必要性って議論がある。
もっとも絵空事って風潮もあって特に着目されなかった法律だが、自衛隊の国防のための行為を地方自治体は援護しなければならないと規定されている。そんな法律が出来て自衛隊は権力を高めたのだろうか? 実は日本の自衛隊の戦闘能力は短期決戦に強いが(ハードが沢山ある)長期決戦(兵器を使い果たしたら何も出来ない)にはまるで駄目って状況だ。
そもそも、4兆円にも積み上がった国防費を国会は常時チェック出来ていたのだろうか。今回の事件が発端となって国会でも議論(ま、ツッコミくらいかな)されてるう、基本的に日本の国防に関わる国民の税金の使われ方を示唆する文民統制が今の国会でなされているのか、はなはだ疑問である。
国会の判断は「国防費を渡すから国防してね」以外の何も無い。単なる金による丸ごと外注しか政治家は出来ていない。その典型が「問題が無ければ何も騒ぎ立てることは無い」って既得権益側にとってはなはだ都合の良い立法府である政治家の態度だ。
「壊れた機械は直さなければならない。でも、壊れそうな機械に手をかけても誰も評価してくれない」。
この感覚でしょうね。だから、過去に中曽根康宏総理が「GNPの1%」と言ったのに、その中に償還国債も含めて無尽蔵に国防費がふくれあがった現状を国会の「センセイ」は野放しにしてきた。
そのツケで立法府の過去のふがいない行動が、結果として自衛隊のふがいない行動を招いていると考える「センセイ」は一人も居ないようだ。
税金垂れ流しの国防戦略
軍隊は外交カードの1枚であるってのは前にも書いた。自衛隊を軍隊カードにするか国内活動に留めるかは議論が必要だが、少なくともイージス艦導入からは自衛隊はアメリカと集団的自衛権を行使するアメリカの手先と国際的に認知される軍隊なのだろう。ミサイル防衛はアメリカの情報戦の一環を担うパシリなのだから。
その軍隊が「シビリアンコントロールの配下に無い」とか叫ぶ集団が居るのだけれど、僕の発想は逆だ。今の日本にはシビリアンコントロール出来るだけの国政が無いって感覚だ。
軍隊を政治がどのようにコントロールすれば良いのかを全然考えていない。つまり「アンコントロール」なシビリアンの配下に軍隊が有るってまったく本末転倒な状況が今の自衛隊なんではないか、だから、小学生のような言い訳をする。その言い訳を誰もたしなめない。基本的に嘘情報を発信する時点で軍隊はシビリアンコントロールを離れ暴走するのは世界の事例を待たない。
何故そうなったのかと考えると、ただただ金を渡してきた国会の責任と言わざるを得ない。そもそも憲法9条の精神にのっとれば、私学助成を憲法と照らし合わせる以前に自衛隊への税金の支出は同じ土俵にあるのではないだろうか。
そこに、何を求めていたのか解らないけれども、税金を投入した国会議員の裁量権って責任問題だろう。国会議員の立場に立てば「国防丸投げ外注委託」政策だったのだから。
せめて「派遣」なら解るが真だから
軍法会議が無い自衛隊は所詮、任意団体
微妙な問題だが今回のイージス艦「あたご」のマグロ延縄漁船との衝突は自衛隊の「軍規」に関わる問題なのだが、何故か軍には司法権が無いので軍規を裁くことは出来ない。海上保安庁の「艦船往来」に関する問題に土俵は設定されている。
真実の追究は海上保安庁の調査に委ねられている。しかし、自衛隊が軍隊なのは世界の常識だ。だとすると、自衛隊員に起因する事故は軍事法廷での裁きが基本だろう。だが、海上保安庁が捜査の主導権と位置づけられている。
海上自衛隊の当事者能力の無さには目を覆うが、基本的に加害者なのだって感覚が海上自衛隊の危機管理に抜けている。事故を起こした当事者として、それが民間フェリーだろうが自衛隊のイージス艦だろうが、国内法に立脚して審査する機関はある。、自衛隊には自ら裁く司法権は与えられてない。
イージス艦「あたご」には商船と同じ海上航行義務がある。
それが守られなかったかどうかは別にして、自衛隊としての今回の事故に対する対応が官僚的な対応なのが問題だと思う。つまり、国防の志と国内法遵守の狭間に自衛隊は追い込められている。旧軍隊で信号無視した兵隊を警察が逮捕した事件で騒然となったようにシビリアンコントロール配下の軍隊は国内法遵守を義務づけられる。ただし、平時の場合に限られるとの特例は現在の自衛隊には無い。
国内法はそもそも集団による武力行使を禁じているので自衛隊は総理大臣の命令によって交戦する場合以外は国内法に準じなくてはいけない。
つまり、海上自衛隊の艦船であっても、民間のフェリーやタンカーや漁船と同じ法律の配下にあるってことになる。とすると、自衛隊が自ら調査状況を説明する説明責任は実は無いのではないか。全て司法の手に委ねて口を噤むのが本来のマスコミ対応では無いのか。
もちろん、事故の結果に対する謝罪等は別物だが。