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危機管理の観点からからは愚策
菅直人総理大臣は「原子炉に強い」らしいが、地震学者の今後30年で87%の確率で地震が予想されるって占い師のような意見に同調して浜岡原発の稼動中止を依頼した。しかし中部電力との調整を経ずして総理大臣会見で「私は総理大臣として」を繰り返して浜岡原発の停止を決断したと述べた。もちろん、何時ものパターンで浜岡原発の停止は菅直人総理大臣の「思いつき」にしか国民には伝わらない。 福島第一原発事故の今の段階で入手可能な情報を精査すると、原子炉は地震により停止した。同じく鉄塔が倒壊して外部電源の供給が断たれた。そこで非常用の自家発電が動くのだが津波による浸水で非常電源を喪失し核燃料棒の冷却に失敗した。 つまり、浜岡原発を停止しても核燃料棒の冷却に失敗した場合のリスクが残存する。核燃料棒の冷却が不可能になった場合に水素の発生を招き、水素爆発で建屋もしくは格納容器の破損を招く事に変わりは無い。浜岡原発の稼働を止めても燃料棒の冷却が出来い事故や災害が発生すれば同じ事が起こる。 まして、政治の無策から使用済み核燃料の再処理が進まず、使用済み核燃料が原発の使用済み核燃料容器(プール)に保管されており、これが冷却水を失って燃料棒が冷却されなければこれも水素を発生し水素爆発に至るのは福島第一原発4号機でも経験済みだ(福島第一原発の4号機の爆発原因については不明な部分も多い)。 つまり、今回の福島第一原発の現在までの情報を咀嚼するとそれまでは「想定外」であったとしても現時点では「想定内」になり、危機管理対策の問題点は明らかになっている。 その最大の学習効果は「原発は止まっても電力と水が無いと暴走する」ってことだ。止めなくても必要、止めてもその量は違うけれど同じ機能を発揮しなければ福島第一原発と同じリスクが残存する。 残念ながら技術には限界がある。「想定外」の限界を回避するには誤解を恐れずに言うが「現場から学ぶ」ことだ。福島第一原発の事故で学んだことを次に継承することが技術の限界を打破する人類の知恵だろう。 福島第一原発事故の事実をしっかり把握して欲しい。原発は運転しても停止しても電源が切れたら福島第一原発と同じことになる。 福島第一原発の教訓を踏まえれば「原発は稼働していても停止していてもリスクは同じ」ってことだ。 今一番必要な対策は、非常時に建屋に充満が予想される水素を追い出す非常用換気装置だ。これのほうがよっぽど効果がある。(福島第一原発の建屋内に水素が放出されたのも不思議だ。通常は排気筒に導かれて放出されるはず。これは3号機にも言えるのだが。真相は解明されていない。) 菅直人総理大臣に求められているのはリーダーシップなのだが、浜岡原発を止めれば国民の安心度が上がって菅直人内閣の支持率が上がるとでも思っているのか! 国民はそこまで馬鹿じゃない。原子力には強くなくても今回の浜岡原発停止は根本的な問題が潜んだままの目先の安全しかもたらさないことを知っている。 現実に起こっている事象を分析出来ないのか>菅直人総理大臣 |