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無責任な役所の倫理
白洲次郎に始まった通産省(現経産省)の系譜が電力ムラと一体になって国策民営の原子力発電を推進してきた。3.11以前の経産省の電力政策はイギリスの発送分離をパクリ、若手官僚を中心に日本にも発送分離の電力体制を導入しようとした。しかし、電力業界は猛反発し、民間の発電した電力を送電するだけの事業に高額の送電線利用料を設定して対抗してきた。そもそも、現在の電力10社には発電コスト、送電コストに分けた会計統計が無く、送電線利用料に確固たるエビデンス(論拠)が無いのだ。 また、若手官僚をことごとく本筋から外し、外郭団体や畑違いの役所に出向させたり「幽閉」したりして電力ムラの既得権益を守っていきた。3.11以降も東京電力の破綻精算を主張していた当時の民主党の枝野氏を筆頭に電力ムラの総力を上げて東京電力救済策を画策に取り入れさせた。 とまぁ、電力ムラが悪いように受け止められるかもしれないが、実は前段に書いた電力改革の若手官僚を本筋から外したら、残った官僚は守旧派で電力ムラ住民しか残らなかったのが実態だ。だから、ことごとく電力ムラ有利な政策を打ち出してくる。 にも関わらず、その政策は空回りを繰り返す。何故ならば、電力ムラの論理は3.11以降、常に疑惑の目に晒されることになり、昔のような電力ムラは電力ムラの論理で運営されるってのが通用しなくなったのだ。 で、それに気が付いた官僚は、今度は責任逃れのために何を行っても結果責任を取らない体質になってしまった。その好例が原発再稼働が進まない現状にあらわれている。そして貿易収支を連続赤字に追い込んでいるのが、経産省の官僚の無責任体質に起因してるのだ。 矛盾だらけの「エネルギー基本計画」を取りまとめるのが無駄とは言わないが、何をしたいのかまるで見えない、うがった見方をすれば「何もしないし、何も責任無い」ってリポートを国費を使って官僚が雁首揃えて作ったのが「エネルギー基本計画」だろう。そんな無責任な官僚に政治家が振り回されてるのだから日本のエネルギー問題の将来は危うい。 |
2014.05.01 Mint
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