|
まずはインテリジェンスの基本
昔、オウム真理教の最終局面(上九一色村強制捜査直前)にマスコミを賑わしたのが「ああいえば上祐(じょうゆう)」ってフレーズだ。会見で何を質問しても当時のオウム真理教の幹部であった上祐史浩氏は詭弁を弄してまともに答えない姿勢を貫いて来た。
実は上祐史浩氏はオウム真理教のモスクワ支部に出払っていた時期が長くて、実際の日本国内でのオウム真理教の行動は正確には知らなかった。知らなかった故に、詭弁を弄することができたのだろう。 今回の韓国の言い分を聞いていると、この当時の「ああいえば上祐」を思い出す。韓国の言い分(以下、文大統領を筆頭に韓国政府の言い分と同義語)は「証拠を示せ」が頻繁に使われる。実は海上自衛隊レーダ照射(詳細は「韓国病に疲れた日米の憂鬱」にも書いた)が、証拠を出すと「ああいえば上祐」なんだなぁ。日本の公開した映像を「低空飛行で威嚇された」って編集し直して各国語でネット配信する(著作権はどうなってるんだぁ!)。 インテリジェンス(諜報活動)は手の内を明かさないのが基本で、正直に海上自衛隊の機内の様子を公表したのは、ま、日本のインテリジェンスの限界だろう。それを逆手に取られたのが先の「海上自衛隊レーダ照射」事件だ。 で、今回も韓国は「証拠を出せ」と言ってくる。 証拠はあるが出さないのが最良の選択と日本も前回に懲りて賢くなったのだろう。 『北朝鮮の核施設のゴミ箱を調べたら、日本から輸出したフッ化水素の瓶があった』なんてのは公表できる訳が無い(一部、憶測)。情報の入手経路を明かすことになるし、当然、その入手ルートは壊される(関係者は闇に消える)。 そもそも、イランが核開発を進められるのは原材料や技術を何処が提供してるんだってことをアメリカが徹底的に調べて、得た情報の中に韓国の輸出品目が出てきたのだが、その中に半導体の製造なんかしていないイランにフッ化水素水を何故輸出したのか。そして、イランがウランの濃縮を再開できたのは何故かってあたりに着目し調べたのだろう。 実は欧米の軍需産業は安全保障やイデオロギーに関係なくビジネスを展開する。だから、中東戦争ではフランス製のダッソ・ミラージュ戦闘機同士が空中戦を演じたりする。 軍事転用物質は多い。そもそも肥料の原料である硫安だって爆弾の原材料になる。だから、インテリジェンスの世界では「疑いがある」で十分なのだ。ある意味「知ってるでぇ」ってのを小出しにする訳だ。 そこに噛みついて「証拠を出せ」ってのは、韓国のインテリジェンスは「ああいえば上祐」並ってことなんだろうなぁ。 |